八ヶ岳に行く機会があって、ついでに清里現代美術館に寄ったのですが、スゴいです@@
今までに行った美術館の中で、もしかしたら一番面白いかもしれない。そんな美術館でした。
ついでに寄る美術館ではありませんでした。
その全貌を知るには1年くらいかかるかもしれません。
それほどの、貴重なアートや資料の山また山
詳しいレビューは、今度行った時に書こうと思いますが、とりあえずメモ
フルクサス全般が特に強く
ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、ジョン・ケージに関しては、専用の部屋が用意されています。
ジョン・ケージの展示にしても、これほど常設が充実しているところは記憶にありません。
他にも
オノ・ヨーコ、ロイ・リキテンシュテイン、ロバート・ラウシェンバーグ、ジョージ・マチューナス
、クリスト、ドナルド・ジャッド、マルセル・デュシャン、川俣正 などなど
重要な作家の作品が目白押し
特にフルクサス関連では、世界でも類を見ない常設展示の内容だと思います。
それらアートだけではなく、現代美術の根っこの部分、関連の資料の充実がスゴいのです。
入り口からして本が積み上げられていて、僕は西荻の某アート書店を思い出したのですが、美術館の人、西荻に住んでたらしく、「夫妻とも知ってます」というので、世間は狭いと思ったのですが(笑)
他にもゲルハルト・リヒターやパナマレンコといった大物アーティストの手書きの案内本とか、
知らない人が見たらゴミかもしれないが、知ってる人が見たら目の玉飛び出そうな品が、うず高く積まれていました。
これ、個人で集めたのですね〜
しかも、ほとんどの資料が読んでよいらしいのです。
ようするに、現代美術を介した巨大なサロンというか、フルクサス的な場ですね、これは。
展示は、資料を含めた展示で構成されていて、それを見た人達が、どのように考え、どのように解釈し、どのように行動するのか。
その結果として、美術だけでなく社会的な未来があるということです。
現代美術というのは、社会的にどうあるべきか?みたいな実験に、美術館として新たな一歩を踏み出していると思いました。
その辺は、さすがにヨーゼフ・ボイスから始まっているだけの事はあるな、と。
美術館改修のためにボイスの作品かなり売却してしまったらしいですが。。
うちの店も、ボイスがスタート地点なのですが
現代美術というのは、ただ見せるわけじゃないのですよね。
わけ分らないものを見せなくちゃならない部分があって、それを分らないまま見ていって、分らないのだけど、ある時ふと分る部分が出てくる。
その結果として、未来がある。
ただ、その分らせる方法が問題で、見えてくる部分が、少しなので『難しい』と言われちゃうわけです。
その根っこに当たる部分を提示してあげないと分らない。
現代美術で展示されているもののひとつひとつは、地面の上に出た芽みたいなものなんですよね。
地下に巨大な根っこがある。
それを考えていく作業というのがあるわけで。
そんなわけで、僕は毎日こんなブログを書いているわけですが。。まあ、フルクサス的なブログですわね、はい。
で、背景が、バーっと照射されてくるわけですよね、優れた展示というものは。
たとえばアントワープ現代美術館とかの何がスゴいかって、そういうところなんです。
ただ、それも、誰もが最初から分るわけでもないのです。
むしろ、現代美術の場合、分らないことが多い。
それをどうしていくのか?
永遠の課題です。
でも、分っていることを表現しても、コンテンポラリーというのはしょうがないわけです。
分っていく過程ですよね。
大事なのは
そこに何か大事なものが確かにあるのだが、”むにゃむにゃ”という、この”むにゃむにゃ”が分りたくて、現代美術というものは存在しているはずなのです。
1月7日まで無休
以後、1月+2月は、土日のみ開館だそうです。
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伊藤修吾 清里現代美術館を作った経緯についてのインタビュー
http://www.funfan.jp/art/m_kiyosato.html
『彼はベジタリアンなので心配いらない』
http://www.towson.edu/heartfield/images/Don't_Worry_Vegetarian.jpg
John Heartfield (ジョン・ハートフィールド)
http://www.towson.edu/heartfield/artarchive.html
Arnulf Rainer
Hiroshima Zyklus, 1982
57 photographs painted over, mixed media
http://www.akiraikedagallery.com/pe_ArnulfRainer_Taura.htm
清里現代美術館 関連ブログ(現在公式サイト準備中とのこと)
http://www.geocities.jp/paganrail/kiyosato/kiyosato.html
http://d.hatena.ne.jp/magoshin/20080920/p2
http://www.y-shinpou.co.jp/MUSEUM/gendai.html
清里現代美術館
山梨県北杜市高根町清里3545-3519
TEL.0551(48)3903
入場料
大人800円
小・中学生400円