北京オリンピックが終わった。
服屋がこんな事書いてもしょうがない気もするが、どんなジャンルであれ、やっている事の本質はそう変わるものではない。ということを考えると、オリンピックについて考える価値があるのではないかと思えてくる。
まず、日本が正しい方向に進んでいると感じたのが、水泳と体操である。
彼らの進んでいる方向は間違っていないと思う。
美しさ、無駄の無い動きの追求と、筋肉バランスまで考慮に入れたトレーニング方法など。
その頂点に輝いたのが北島 康介だった。
体操の富田も頂点にもっとも近い所に居たと思うが、残念ながらミスってしまった。それは仕方がない。でも、ミス以外は完璧だった。間違ってない。
一方で、日本のお家芸と言われていた分野での凋落が目立ったのが、シンクロナイズドスイミングとマラソンである。
シンクロの問題点は、前から分っている。
なぜトップのロシアと明らかな差があるのか?
それは基本姿勢の問題である。
通常の練習をいくらこなしても無理な部分、それは手足の先まで鋭敏に研ぎ澄まされた神経や美しさのこと。
日本体操の富田や水泳の北島やフィギュアの真央選手などが持っているものである。
彼、彼女達がなぜ世界の頂点に立てるのか?
それは、それがあるからだ。
日本のシンクロにはそれがない。
だから、永久に勝てない。
でもメダルは穫れていた。
だから、その対策をしないまま10数年が過ぎてしまったので、スペインや中国に抜かれてしまった。彼女達は、既にそれを身につけつつある。
だから、このままでは日本のシンクロはじり貧になるだろう。
どうすればいいか?って??
それは、バレエを一からやるしかない。
なぜロシアの選手が圧倒的に強いのか?
それは、彼女達がバレエの基礎を身につけているからだろう。
何事も基礎が無ければ頂点に立つことは不可能なのだ。
マラソンは、調整の失敗が原因なのは明らかで、強化方法、選手の選出方法、補欠の繰り上げ方など、選手の実力以外の部分での問題点が明らかだ。
はたして野口みずきのような超一流の選手をあそこまで走り込みさせる必要性があるのか?
人間は25歳以前と以後では、活動量、エネルギー量、疲労の回復が全く異なる。サッカーのブラジル代表ロナウジーニョの動きが、この前後で大きく変わっていることが分るでしょう?これは、ロナウジーニョにとって、以前の方法が現在の肉体的に通用しなくなったことを意味している=だから、ロナウジーニョは変化しなければならない。
これは、おそらく哺乳類の活動周期が8年周期だからだ。だから、8歳、16歳、24歳、32歳、40歳と8年単位で人間の活動はピークを迎える。厄年っていうのがなぜ厄年なのか考えてみると良い。(詳しくは中島国治氏の著書を読もう
概略はこちら)
だから、年齢によって、選手の体調によって、日々のトレーニング方法を変えなければ、故障するのだ。
少なくとも、競馬の優秀なトレーナー達は、その事を経験的に知っていて、完成された古馬のサラブレッドに過酷な調教を施したりしない。
スポーツでは、24歳以下の選手をもっと多く使うべきである。24歳までなら、もっと動けるのだ。でも、若い選手には経験が無い。
欧州サッカーの一流クラブが10代の選手を大抜擢するのは、このことと大いに関係がある。
一番活躍出来る20代前半の時にトップフォームで出来るように、10代のうちから使うのだ。
日本は、そういう基本がなっていないと思う。(岡田監督は、その点は優秀であると思う。)
もちろん、年齢の高い選手も、それぞれの活動エネルギーに合わせて調節すれば、もっともっと高い年齢でも活躍出来るはずだ。
それは、水泳女子50メートルと4x100メドレーリレーで、40歳のダラ・トーレス選手が、わずか30分の間に銀メダル2つも獲得したことからも明らかである。
つづく