覚醒剤は、(もちろん僕はやったことはないが。。)ものすごく幸せになれるクスリらしい。
このクスリさえあれば他に何もいらない、そう思えるほどの効き目があるからこそ、それが危険だと分っていてもやめられない人が続出するのだろう。
では、覚醒剤の何が問題なのか?
それは覚醒剤がアクセル系物質(覚醒系物質)を流す構造に原因がある。
覚醒剤は、アクセル系物質(ドーパミンなど)が再吸収される穴を塞ぐことによって一時的にドーパミンなどを脳内に溢れさせる。
この状態が『やる気があって幸せいっぱいな状態』なわけだ。
では、その後『やる気があって幸せいっぱいな状態』はどうなるのか??
覚醒剤は再吸収する穴を塞ぐことによってアクセル系物質を次のシナプスに流していたので、それらが流れてしまって無くなっていくと、本来再吸収されるはずだった3分の2のアクセル系物質はリサイクルされないのだ。
つまりそのままではやる気や幸せ感がリサイクルしていかなくなってしまうのである。
貯めていたダムの水を放水してしまった後の状態を考えると分りやすいだろう。
一時的にダムの水を放水させれば下流は潤うがダムの水は無くなる。
覚醒剤の使用の後では、やる気や幸せの貯水池にはちょろちょろとしか水は流れていない。
あるいは、コンクリート舗装と川や地下水の関係に喩えた方がいいかもしれない。
降った雨を舗装された排水溝を使って川に流せば、川の水は一気に増える。
ところが、当然のことながら、地面にしみ込んで地下水になるはずの水や、森林を育て生態系をカタチ創るはずの水までも流していってしまうので、水を溜め込み、生物を育み、川の水を濾過する決定的な環境すらをも奪っていってしまうわけだ。
だから、覚醒剤中毒になった人は、干上がりかけたどぶ川のようになってしまうのだ。
これを元の美しい森と川に再生するためには膨大な努力が必要であるのは言うまでもないだろう。
これが、覚醒剤使用における問題点の本質だろう。
ではSSRI型抗鬱剤の場合はどうだろうか?
仕組みは覚醒剤と同じで、セロトニンが再吸収される穴を塞ぐことによって一時的に脳内にセロトニンを溢れさせることが出来るのだ。
セロトニンが脳に溢れると落ち着きが増し、自信に溢れるようになる。
しかしながら、このクスリの場合も覚醒剤と同じように再吸収のための穴を塞いでしまうので、その時はセロトニンが溢れるかもしれないが、クスリが切れると通常ならリサイクルにまわるはずのセロトニンがリサイクルされないまま流れてしまったわけで、セロトニンが少ない状態になってしまうはずである。
前にも述べたように、セロトニンが少ない状態というのは、ブレーキが壊れた状態と同じような状態である。
このような状態で何らかのストレスにさらされて、アクセル系の物質が大量に流れこんだとき、それ(訳の分らない殺人や自殺)は起きるのではないだろうか?
このことは、覚醒剤の取り締まりに対して厳格な国(その仕組みが分っている国)であるならば、当然真っ先に考えてよいはずの問題であると考えられる。
なぜならば、それはクスリの作用の本質がもたらす問題だからだ。
そんなものは人体実験などしなくとも、論理的に無理だということが直ぐに分るようなことなのだ。
しかし、本質的に無理なクスリが、なぜか認可を受けベストセラーになる。
僕は、このクスリが百害あって一理なしだと言っているわけではないのです。
このクスリは確かに効くらしいし、実際このクスリによって救われた人も沢山居るに違いないと思う。
しかし、そのクスリの構造を知れば、これは本当に直ぐ自殺などの危険性がある重症な患者に対して、完璧な体制を病院側が整えて、リスクを承知の上で服用しなければならないようなクスリであることは直ぐに判るはずだ。
ましてやベストセラーになるクスリなんかではない。
それが今や売り上げ20億ドル(約2500億円)と言われている。
変な事件や事故も起るのではないのか??
覚醒剤も当初は発売禁止の薬物ではなかったそうだ。
たとえば日本軍は覚醒剤(ヒロポン)を富国強兵のために本気で増産していたし、特攻の前に飲ませたりしたそうである。
おそらく、このSSRI系の抗鬱剤も遅かれ早かれ禁止薬物になるはずだ。
覚醒剤と同じ仕組みの薬物を平気で売る方が、そもそもどうかしているからだ。
かつてアヘンによってアヘン戦争が起きたように、覚醒剤と第二次大戦が密接に繋がっているように、このSSRI系抗鬱剤も現在起きている戦争と密接な関係があるのだろう。
BSEの問題もそうだが(僕はプリオンとBSEの関係については疑っているけれども)草食動物に動物性タンパク質を与えることのおかしさや、牛に牛の骨を試料とする(つまりは共食いだ)危険については、実験結果がどうとかというレヴェルの問題ではなくて、本質的に間違っているとしかいいようがない。
なぜそのようなことが行われるのか?
それについて考えなければならないだろう。
その背後には、必ず巨大な利権構造が見え隠れしている。
つづく
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