欧州で知らない土地に旅する時、真っ先にすることが、居心地の良い宿を見つけること、居心地の良いカフェを見つけること、そして美味しいパン屋を見つけることの3つだ。
世界には様々な場所に、自分が落ち着ける場所があって、そこは必ず自分がリラックス出来る人が居て、リラックス出来る空気があることを、旅を続けるようになって知った。
もしあなたが、日本や自分の周辺で、自分がいつも居心地が良く無いと感じているのなら、旅に出てみると良いかもしれない。
どこかに自分に相応しい場所があるのかもしれませんよ。(保証は出来ないですけど 笑)
そんなわけで、cozyな場所、それと美味しいパンがあれば、世界のどんな場所でも生きていけるような気がしている。
日本のパンが全然駄目駄目だと気付いたのは、欧州に通うようになってからだ。
それまで、日本のチェーン店のパンを食べて、パンというのはこういうものだと思い込んでいた。でも、それって全然標準的な味ではないことを知った。
それはたぶん、日本が米文化圏だからで、欧州でご飯食べたら、何じゃこれ?と思うのと、とてもよく似たことなのだと思う。
大量生産の工場製のパンを数ヶ月間食べ続けていたことがある。
もちろん、それはそこそこ美味しいのだ。
でも、数ヶ月経ったある日、僕は突然それが食べられなくなった。なぜだかは全然分らない、でもある日、僕の胃はそれを拒絶するようになった。
欧州のごく普通のパン屋で売っている普通のパンを食べ続けていても、そういうことには全くならない。
なぜだろう?
それは、余計なものが入っていないからだと思う。
美味しくしようと思って様々な添加物を加えて努力する、日持ちさせる為に様々なものを加えて努力する。
そうやって創り上げた商品は、流通に乗りやすくて、便利でそこそこ美味しい。
でも、それはある日、突然食べられなくなってしまう日が来るのではないだろうか?
ある日何かが閾値を超えてしまうのだ。
飽きないもの、本当に身体が欲しているものっていうのは、大抵の場合もっとシンプルで、とてもよく出来た構造をしている。
大正通りには、日本で数少ない”まともなパン”を売っているパン屋がある。
デザイン的なカッコ良さで知られているパン屋なのだけど、それも良いけど、やっぱり味がまともなんですよね。
10年後を考えて付けたdan dix ansという名前は、きっと食べ続けるとその意味が判ってくると思う。
ずっと食べていると、どんどんその美味しさに気付いてくる。そういうまともなパン屋です。
僕のオススメは、BE20とBL30という食パン。
意味不明な名前だけど、BE20というのは、BURRE(バター)20% 、EAU(水)20%。
BL30は、 BURRE(バター)30%LAIT(牛乳)30%の略です。
僕が今まで食べた食パン(パンドゥミ)の中で、文句無しで一番美味しいと思います。
パリの美味しいパン屋よりも、ジョエルロブションのパンドゥミよりも美味しいです。お試しあれ!
他にも穀物パンや、オリーブの入った『アセイテュナ』塩漬け豚肉の入った『ユゼス』なども好きですね。
ところで、ベルリンで美味しいパン屋があって、そこはシュタイナー式で蜂蜜と水と小麦粉で自然に発酵させるパンを作っていて、美味しかったので,dans dix ans
http://www.dans10ans.net/about/about.htmlの方達に食べさせてあげようと一部持ち帰ってきたのです。
そしたら、なんとシェフは、シュタイナー式の製法を勉強するためにドイツ留学もしていたとのこと。恐るべし!
無茶苦茶懐かしがっていて、「焼いてみたくなった」そうなので、dans dix ansにシュタイナー式のパンが並ぶ日も近いかもしれません(笑)
ぜひ立ち寄ってみてください。
Dans Dix ans
東京都武蔵野市吉祥寺本町2−28−2 B1F
OPEN 11:00-19:00
水曜・第一、第三火曜 休
地図
http://www.dans10ans.net/map/map.html