U17ワールドカップ 日本対ハイチ
『新黄金世代』とも呼ばれるU17サッカー日本代表の闘いが韓国で始まった。
予選リーグ、日本は、ハイチ、ナイジェリア、フランスと同組で、特に優勝候補のナイジェリアや、常にレヴェルの高いフランスと同組になり、かなり手強い予選リーグとなりそうだ。
一番力の落ちそうなハイチも、北中米カリブ海予選で、前回大会のメキシコを破っての出場ということで、相当厳しい闘いが予想される。
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まず、初戦はハイチ。
U16日本代表のアジア予選を見ていて、このチームのオドロクほどレベルの高い闘いぶりに驚いた人は多いと思う。
僕もその一人。
今回のU17W杯は、優勝する大きなチャンスだと思っている。
が、しかし、試合が始まってみると、下馬評もどこへやら、稚拙なパスミスが目立つ幼稚な闘い方で、あの正確なパスと高いトラップ技術と高い連動性と決定力を見せつけたアジア予選は一体何だったのか?と思う。
あの時は、このチームは、ひょっとすると、U20より、いや、オリンピック代表より、はたまた当時のA代表よりも遥かに質の高いサッカーをしていたように見えたのだ。(その後、U20やA代表のレヴェルは格段に上がったが。。)
だが、今回は、明らかに、その全てのチームよりクオリティーの落ちる闘いぶりである。
俺は幻を見てたのか??
やはり、エースの柿谷(セレッソ大阪)を怪我で欠いているのが大きいようで、まず、フォワードにきっちり球が収まらないから、中盤が動いても無意味な運動になってしまっている。
苦し紛れに横パスを出すから、狙い撃ちされてパスカットを受け、カウンター攻撃を受けるということで、ハイチのペースで試合が進む。
それでも、フリーキックから日本がゴールを決めて、前半を1−0で折り返す。
しかし、1点ビハインドを負ったハイチが攻めに出た後半、日本は防戦一方になる。
そして失点。
下がる最終ラインに釣られて、中盤もスカスカ。
ピンチの連続をGK廣永 遼太郎がファインセーブでなんとか防ぐ。
このキーパー、とても素晴らしい。
なんだか、この前のU20W杯のリプレーを見ているようだ。
チームの連動性で調子の良い時は、オドロクほど動きが良いが、一度守勢に回ってしまうと、全てが後手後手に回って大ピンチ。
立て直すことが出来ない。
そんなピンチを救ったのが、選手交代だった。
後半途中から入った、河野 広貴(ヴェルディユース)
そして、残り10分で、満を持して入ったエース、柿谷 曜一朗(セレッソ大阪)が流れを変えた。
得点は、水沼宏太(横浜Fマリノスユース)からの大きな展開から、最後は、河野の技ありゴール。
そして、圧巻は3点目の柿谷のゴール。
絶妙なタイミングで抜け出し、絶妙なトラップからキーパーを交わし、角度のないところから、ディフェンスがぎりぎり届かないところへ絶妙に流しこんだ。
端から見ていると、ものすごく簡単そうに見えるが、ものすごく難しいプレーの連続だったと思う。
柿谷恐るべし。
これで左足太ももの故障中なのだから恐れいる。
僕は、彼を中村俊輔(セルティック)以来の逸材だと感じている。
テクニック的には、松井(ルマン)に似ているけれど、松井よりもスピードがあり、なおかつ決定力がある。
タイプとして一番似ているのは、ロナウジーニョ(バルセロナ)だろう。
いずれにしても、この後十数年の間、彼が日本の中心を担うのは、ほぼ間違い無いと見ている。
この大会が終わったら、直ぐにでもA代表と合流させるべきなのではないだろうか?
早いうちから強い相手とやれれば、もっともっと伸びるだろう。
技術・スピード・決定力に関しては、既に現在の日本の選手の中でもトップランクに位置しているはずだから。
後は、中村俊輔のように、戦うレヴェルを上げていければ、世界を担う選手になるはずだ。
その後も、相手ディフェンダーを翻弄し続けた柿谷。
この男が入ると、このチームは、チームとして別次元に入るということか。
問題は、柿谷の怪我で、この大会は、よくも悪くも柿谷次第になりそうなことが、この試合から窺われた。
次はナイジェリア戦である。
メンバー
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試合結果
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