毎日新聞に、今回の福島第一原発放射能漏れ事故が起きていった過程の詳細が載っています。
今までにない詳しい報告で、なるほどと思える部分多いです。
もちろん、記事が本当かどうかのチェックについては、詳細にやらなくてはいけないと思いますが。
では、一部を抜粋します。
全文はリンク先をどうぞ。
以下引用
11日、東電の勝俣恒久会長は滞在先の北京で震災の一報を知る。心配する同行者に「情報がない」と漏らし顔をゆがめた。衛星携帯で本店と連絡を取り続けたが、帰国できたのは翌12日。清水正孝社長も出張先の関西から帰京できない。東電はトップ不在のまま対策本部を置く。
一方、官邸の緊急災害対策本部。当初、直接東電とやりとりするのではなく経済産業省の原子力安全・保安院を窓口にした。「原子炉は現状では大丈夫です」。保安院は東電の見立てを報告した。
しかし、事態の悪化に官邸は東電への不信を募らせる。菅首相は11日夕、公邸にいる伸子夫人に電話で「東工大の名簿をすぐに探してくれ」と頼んだ。信頼できる母校の学者に助言を求めるためだった。
11日午後8時30分、2号機の隔離時冷却系の機能が失われたことが判明する。電源車を送り込み、復旧しなければならない。「電源車は何台あるのか」「自衛隊で運べないのか」。首相執務室にホワイトボードが持ち込まれ、自ら指揮を執った。
官邸は東電役員を呼びつけた。原子炉の圧力が上がってきたことを説明され、ベントを要請した。しかし東電は動かない。マニュアルにはあるが、日本の原発で前例はない。放射性物質が一定程度、外部へまき散らされる可能性がある。
「一企業には重すぎる決断だ」。東電側からそんな声が官邸にも聞こえてきた。復旧し、冷却機能が安定すればベントの必要もなくなる。
翌12日午前1時30分、官邸は海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出した。だが、保安院は実際に行うかどうかについて「一義的には東電が決めること」という姿勢を変えない。国が電力各社に文書で提出させている重大事故対策は「事業者の自主的な措置」と位置づけられている。
「東電はなぜ指示を聞かないのか」。官邸は困惑するばかりだった。首相は「東電の現地と直接、話をさせろ」といら立った。「ここにいても何も分からないじゃないか。行って原発の話ができるのは、おれ以外に誰がいるんだ」。午前2時、視察はこうして決まった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000005-maip-pol
その時、東電の下請け会社に勤めるベテラン従業員は福島第1原発4号機タービン建屋の地下1階で鉄材の切断作業をしていた。11日午後2時46分、激しい揺れに必死で配管にしがみつく。
「足場が倒れたら危ない」。3人の同僚と声をかけ合っていると突然、照明が消えた。暗闇の中、危険箇所を示す電池式の警告灯だけが赤く点滅している。
頭が混乱して方向感覚がない。「はぐれたら大変だぞ。手をつないで行こう」。警告灯を懐中電灯代わりに、4人は一列になって1階に向かった。外に出られたのは30分後だった。
1号機の「廃棄物処理建屋」で下請け会社の社員、菅波秀夫さん(60)は足場材の搬出作業をしていた。作業場の監督が中央制御室に連絡して急いで扉のロックを解除させ、仲間6人で出口に通じる隣の建屋に入った。だが、ほこりが立ちこめ視界がきかない。仕方なく作業場に戻ると照明が切れ、鉄骨が揺れる音だけが響く。どこからか声がした。「おれらについて来い」。それを頼りに出口をめざした。
下請け会社を経営する小川喜弘さん(53)は放射性廃棄物を処理する「集中環境施設」の建屋4階で非常用バッテリーの点検をしていた。揺れが収まって階段を下りると、すぐに大津波警報が出た。4号機で定期点検中の作業員100人以上と高台に向かって逃げた。1号機の建屋の壁が崩れているのが見えた。
避難所から自宅のある浪江町に戻った時、その光景にがくぜんとした。「人っ子一人いない。これは死の町だ」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm010040023000c.html?inb=yt
原子炉の暴走を事前に食い止める「冷却作戦」が官邸、経済産業省原子力安全・保安院、東電のもとで進められた。
対処方針は冷却システムを再起動させるための電源車をバッテリーが切れる7~8時間以内に福島第1原発に集めることだった。電源喪失が午後3時42分。タイムリミットは午後11時前後から12日午前0時前後。時間との闘いだった。ひとまず東電が集めた6台が福島に向かったが、陸路の輸送は困難を極めた。
「福島まで緊急車両は通れるのか」。首相は大畠章宏国土交通相に電話で交通状況を確認。執務室にはホワイトボードが運び込まれ、電源車の現在地が刻々と書き込まれていった。しかし、思わぬ誤算が生じた。
電源を失った1~3号機のうち、最初に危機に陥ったのは2号機だった。当初、原子炉の余熱でタービンを回し、冷却に必要な水を炉内に引き込む「隔離時冷却系」が作動し、炉内の水位を保っていた。
だが、隔離時冷却系が午後8時半に突然止まり、炉心の冷却ができなくなった。このままだと核燃料が出す熱で炉内の水が蒸発し、燃料棒が水面から露出する恐れがあった。水面から出た燃料棒はさらに高温になり、いずれは破損し、核燃料が溶け出してしまう危険があった。
待望の電源車が福島第1原発から約5キロ離れた、国の対応拠点「福島オフサイトセンター」(福島県大熊町)に到着したのは午後9時過ぎ。東北電力から提供された電源車2台だったが、ここでトラブルが発生する。
電源車が高電圧だったため接続に必要な低圧ケーブルが用意されていなかったのだ。つなぎ口も津波で浸水していた。午後9時20分には福島オフサイトセンターの非常用電源が切れた。東電社員を含む職員ら15人は隣接する福島県原子力センターに移動したが、ファクス1台。パソコンはなかった。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm010040035000c.html
以上 引用終わり
毎日新聞 2011年4月4日 東京朝刊
以上のように、まず、東京電力のトップが不在で決断が遅れたことが判明した。
災害に対する備えが全くなっていなかった。
菅直人は、もともと原発ファミリーではない(実は初めての首相)ので、東電の言うことを信用しないで、他の学者の助言を聞いた。
なるほどね。。
ま、東京電力と原発の問題を一度でも考えたことのある人なら、そうするでしょう。
東京電力が言っている原発の安全性の話は、ほぼ嘘ですから。
で、一方、原発政策を押し進めてきた原発利権の親玉の読売新聞は、菅直人首相を外して大連立にするとか、原発現状維持が世間の46%で最多とか、工作情報を垂れ流しております。
そんなわけないだろ。原発がこのままで良いわけないじゃないか。
そして、今まで原発行政を続けてきた奴らは責任取れよ。
国会議員で言うなら自民党と、民主党内に居る旧自民党や民社党の多くの人達は、責任取るべきだ。
原発押し進めてきたわけじゃない菅直人に責任なすりつけて辞めさせて大連立って、そりゃおかしいだろ。
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