メキシコ湾の原油流出事故と生態系についてのエントリーに対してコメント欄で
この流出事故、心配なことが2点ありまして、
1)海底から原油が噴出することは過去に自然現象としてあったのか。
海底油田の技術ができる以前は(現在も)、産油地は主に砂漠化した地域が 主流であったこと。緑地としてのピークを過ぎた大地から出油するのが 自然な状態なのではないか、ということ。
2)もし海中から出油することが自然なことではないのなら、 海の希釈効果は短期的に有効なのか。 (数十年のスパンで見れば有効と思います) かつてチッソの経営者は「海の希釈効果は無限大だと思っていた」という 発言を残しています。人口の毒物と原油は安易に同一視はできないでしょうが、 ちょっと気になってまして
という質問を受けたのですが
当ブログの管理人の考えです。
海底に油田がある以上、地球というのは地殻変動が常に起きていますので、海底火山があるように、海底温泉があるように、人為的ではなくても、原油が流出するということは、当然あると思います。
というより、無いという事は考えられません。
でも、無いように見えるというのは、それが海中深くで起きていて、しかも、大した影響になっていないから見えないのだと思います。
そもそも論になるのですが、私達が日常食べている、マグロのトロとかブリとかホッケなどの油が乗った魚が居ます。
それ、死んだらどうなるのでしょう??
当然他の魚に食べられたり、プランクトンやバクテリアに食べられたりしますよね?
私達がトロを美味しいと思うのも、油分が私達の栄養になっているからです。
私達は栄養分である油分を生物間でやりとりして生きているという事が分ります。
これが生態系です。
そして、魚やプランクトンが膨大な数海に生息していることから分るように、海の中には、実は膨大な油分が存在しているという事なんです。
つまり、それは魚介類といった生物とかプランクトンとか藻とかバクテリアとして存在しているのです。
そして、原油がどうやって出来たのか?というのは、細部解っていない部分も多いとは思いますが、普通に考えて、これらの生態系における莫大な量の油分の一部が、なんらかの理由(地殻変動等)によって、バクテリアに分解されにくい地下深くの地層に埋まったものだと考えられます。
なので、その油分は、バクテリアやその他の生物によって分解が出来る場所に引きずり出されたら、生物間の油サイクルの中に取り込まれるだろうという事です。
実際に原油を食べるバクテリアが増えると数ヶ月で分解されるようです。
もちろん、そのバクテリアは他の生物が食べます。
基本的に、『原油は希釈するだけではなく、分解されて生物の体内の油分になる』ということですね。
油のリサイクルです。
もちろん、原油は地層の中に埋まっていますから、その地層中にたとえば水銀が存在していて、それが原油と共に流出し、魚やプランクトンが摂取し、という事を繰り返した結果として、魚の体内に水銀が濃縮して汚染という可能性はゼロでは無いと思いますが。。
そういう事が無ければ、今回のメキシコ湾の原油流出事故が、どこかの環境団体が言うように、チェルノブイリ級の環境汚染というのは、あまりにも大げさなのではないかと思います。
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