ワールドカップ南アフリカ大会 日本対オランダ レポート 前半戦詳細のつづきです。
後半の立ち上がり、予想通りオランダは攻撃のギアをアップしてきた。
しかし、トゥーリオがことごとく跳ね返す。
しかし、段々中盤がディフェンスに吸収されていく。
そして失点の場面。
これは、
前にも書いたように、本田がスナイデルを離してしまったことが原因にある。
そして、長谷部がディフェンスラインに吸収されてしまったことも複合的な原因になっている。
とはいえ、これは本来ファンペルシーのハンドだった。
オランダ相手に先制点を許してしまった日本。
しかし、ここから日本が反撃開始。
後半10分から25分までは完全に日本の時間帯だったと思う。
これは、一つには、オランダが現実的に勝ち点3のサッカーを目指して、攻撃に来なくなったため。
しかし、パス回し重視のファンデルファールト+スナイデル共存のメンバーのままだった為だと思う。
なので、当然のことながら、オランダの弱点は左サイド(日本の右サイド)になる。
というわけで、ここから駒野が上がり始めた。
日本の守備が安定したのは、阿部をアンカーの位置にして似非3バック(5バック)にした為だ。
本来阿部は3バックのセンターをよくやっていた選手。
フォアリベロという位置で水を得た魚のように素晴らしいポジショニングを見せるようになった。
それと同時に守備が安定したのは、浦和で阿部とセンターバックのコンビを組んでいたトゥーリオが、阿部と息の合った役割分担が出来たためだと思う。
阿部のカバーリングでトゥーリオ本来の前へ出て止める積極性が活きるようになったのだ。
逆に言うと、今までは、トゥーリオが前へ出ると後ろがスカスカになり、中澤が一人で困っていたのだ。
ということで、阿部のアンカー起用で、同時に中澤も役割が明確になり、自分本来の良さを活かせるようになったのだと思う。
そして、好プレーを連発している川島にしても、ディフェンスでシュートコースをかっちり消してくれていることは、とても大きいことであると思う。
このように、日本は実質的な5バックなので、長谷部や遠藤が最終ラインに引き込まれると決定的なピンチを起こしやすく、サイドバックのどちらかが上に上がらないと、中盤を支配出来なくなってしまうということだ。
なので、この場面では駒野は積極的に上がったから、日本はゲームを支配出来たわけだ。
何度か惜しいチャンスがあり、そのほとんどを大久保がシュートしたわけだが、シュートに力が無さ過ぎたのは、残念だった。
もっとも、大久保はすごく良い動きをしているとは思うのだが。。
そして松井も効いている。
松井が俊輔に交代するまでの10分間は、日本が世界の強豪に向けて初めてサイドアタックを重視した機能性をもったサッカーを見せることが出来た10分間であったと思う。
遠藤が、本田が奪うのを確信して前線に走り込んだ場面も今まで見たことが無かった攻撃であったし(欲をいえば、そのまま方向を変えてディフェンダーと正対して抜いてほしかったところだが)
駒野から本田と長谷部の飛び込みに送ったクロスの質も素晴らしかったと思う。
だから点が入らなかったとはいえ、この10分間は、日本が得たものとして歴史に残る10分間であったと僕は思う。
出来れば、このサッカーを日本サッカーの礎にしてほしいと思う。
ただし、貧弱なパスミスからカウンターを受けるなど、中盤のつなぎの悪さは相変わらずだったが。。
ここで松井から俊輔に交代。
松井まだ動けていただけに?の交代だったが、俊輔投入から5分間は、それでも日本ペースだった。
試合の流れが変わったのは、ファンマルワイク監督がファンデルファールトに替えてエリアを投入したことにある。
パサーとして中へ入りがちだったファンデルファールトに比べ、エリアは外で張りながらスピードとドリブルで単独で勝負出来る生粋のウインガーだ。
なので、日本はスピードに強い長友を右サイドに、駒野を左サイドに使った。
これは、エリア対策としては正解だが、それまで効いていた駒野を上げた右サイドからの展開が消えてしまった。と同時に、オランダの守備に欠陥が無くなってしまったのである。
一方、日本の右ウイングに入ったのは、単独突破が出来なくなった俊輔。
長友が上がる。
俊輔は、他が空いていても長友にパス。
それも狭いエリアで状況が悪いのに長友にパス。それじゃあ無理だろう。
ここでオランダはエリアを使ったカウンターを仕掛けていく。
そうすると、長友は守備に追われるため、上がることが出来なくなってくる。
必然的に俊輔はボールを受けに下がってくる。
日本はオランダの弱点である右サイドを基点に攻撃出来なくなってしまった。
この状況で、長谷部と大久保アウトで岡崎と玉田投入となった。
僕は、負けている状況で岡崎と玉田の交代自体は、反対ではないのだが、俊輔が居る状況では話は違ってくる。
ここで日本はフォーメーションを4-2-3-1に変えたと思う。
と思うと書いたのは、本当に4-2-3-1だったのか?良く判らなかったからだ。
それほどフォーメーションがぐちゃぐちゃで、誰がどこのポジションなのか不明だった。
おそらく
岡崎
俊輔 本田 玉田
遠藤 阿部
駒野 中澤 トゥーリオ 長友
川島
だったと思うのだが、自信は無い。
俊輔がウイングの位置に居たのを見たことが無いんだからしょうがない。
そしてこれは、当然の事ながら全く機能しなかった。
だって、一度もやった事ないでしょ。
だから、誰がどこに動いて良いのか判らなくなって、選手が立ち止まってしまい、あげく、パス出したい俊輔が持ち過ぎてボール奪われカウンター。
交代選手の運動量で活性化をはかるつもりが、全く逆効果だった。
特に玉田、ボールを奪った場面以外、どこで何をしてたのかすらよくわからなかったです。
ようするに、俊輔も玉田も本田も後ろに下がってボールをもらいたがるタイプだから、前線で岡崎が孤立しちゃったのでしょう。
で、業を煮やしたトゥーリオが前線に上がった。
すると、
岡崎 トゥーリオ
本田 玉田
駒野 遠藤 俊輔
中澤 阿部 長友
川島
これなら、なんとかなりそうな気がしなくもない。
実際、トゥーリオがチャンスを作る場面があった。
しかし、いかんせんパサーばかりを並べた中盤はスカスカで、逆襲を受けるのは必然だった。
アフェライがディフェンスラインを決定的に破る。
川島スーパーセーブ。
そして、ここでファンペルシーに変えてフンテラール。
その直後、フンテラールとの受け渡しから再びアフェライが抜けてキーパーと1対1
またまた川島スーパーセーブ。
いやあ、3−0にならなくて良かったですね。
川島のスーパーセーブもそうですが、最終ラインのディフェンスをパワープレーでも3枚にしてたのが、最終的には効いた感じがします。
そこは、2バックで負けたセルビア戦の失敗が活きていた場面であったと思います。
しかし、このメンバーとフォーメーションでは、僕の考えていたパワープレーと比べて、守備が弱過ぎることが明らかだと思います。
当ブログ、オランダ戦で負けている場面でのパワープレー推奨フォーメーション3-3-1-3
岡崎 トゥーリオ 矢野
大久保
長友 遠藤 稲本
中澤 阿部 長谷部
川島
負けている時にパワープレーというのは必然的な選択ですが、その時の守備の機能性については、良く考えるべきだと思います。
いずれにしても、今回の試合は、強豪国相手における中村俊輔の起用が、よほどの事がない限り(セットプレーのみなら可)難しいということが明らかになった試合だったと思います。
当ブログは、カメルーン戦ならなんとかなるけど、オランダは無理(技術的に)という立場でしたが、まさにそういう現実を見せつけられた試合でした。
デンマークは、アヤックス=バルセロナ=オランダ系のサッカーをするので、基本的な闘い方は同じと考えてよいと思います。
ただ、オランダほど上手くはないけれど、高さとフィジカルで上回ると思います。
次回はデンマーク戦の対策について。
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