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岡田監督を更迭するなら後任は誰だ?の3回目 先日のスポルトで『岡田監督執行猶予3試合』の判決が出てました。 とりあえず、1戦を終えて、情勢は微妙です。 で、更迭したら誰を監督に据えるのか? 読者の方々に聞いてみたら、多かったのは、鹿島のオリヴェイラ監督と新潟の鈴木監督でした。 昨年のJリーグの最少失点のチームですね。 オリヴェイラ監督はまさに名将と呼ぶのに相応しいのですが、どちらかというと現在のサッカー協会は反鹿島っぽい=会長が浦和=三菱、鹿島は住友金属 なので、難しそうです。 では、僕は、どう考えたのかというと、ブッフバルト監督+エンゲルスコーチというコンビです。 これは、始めは単純な思いつきでした。 まず、過去10年の間にJリーグで最も魅力的かつ強かったチームはどこか?と考えた時に、出てきた答えが、ブッフバルト監督時代の浦和だということですね。 エメルソン、田中達也、永井、長谷部、トゥーリオ、酒井、山瀬、岡野、山田.. 後に三都主や小野も加えたこのチーム。 強かった上に速かったし、面白かった。 ボールポゼッション率も高かったし、カウンターも決まった。 僕的にはJリーグ出来てから、最も面白かったチームです。 じゃあ、そのチームをベースに考えるのが一番良いのではないか? ごく単純な思いつきです。 こういうシンプルな考えって、最も大事な事だと思うのです。 でも、その思いつきは、調べれば調べるほど確信に変わっていきました。 まず、現在のサッカー協会の会長である犬飼氏は、ブッフバルトとエンゲルスを監督に呼んだ人なわけです。 コネクションもばっちりです。 ということは、これは、充分に実現可能です。 ちなみに僕はとくにレッズファンではありません。 で、なぜこのチームが魅力的かつ強かったのか?ということを考えていった時に、あぶり出しのように浮かんでくるのが、ゲルト・エンゲルスコーチの存在なのです。 以下がエンゲルスがコーチ・監督をした際の主な成績です。 天皇杯優勝 5回(1993, 1998, 2002, 2005, 2006) J2優勝 (2001) J1ステージ優勝 1回(2004-2nd) J1年間優勝 1回(2006) J1年間準優勝 3回(2004, 2005, 2007) ナビスコ杯準優勝 1回(2004) ゼロックス・スーパーカップ優勝 1回(2006) AFC アジアチャンピオンズリーグ優勝 1回(2007) クラブワールドカップ3位 AFC アジアチャンピオンズリーグベスト4(2008) 特にカップ戦に強いことが分ると思います。 エンゲルスは、横浜フリューゲルス、京都パープルサンガ、浦和レッズと、異なるチームを5度 天皇杯チャンピオンにしています。 ACLも制しています。 カップ戦、トーナメント戦に異常に強いのです。 そう、彼こそが、ワールドカップのような短期決戦のトーナメントに、最も相応しいタイプの人材なのではないでしょうか? そして、チームが危機に陥った時のピンチヒッターとしての実績がものすごく高いです。 ただし、欠点もあり、優しい性格とその風貌(薄幸な)から、選手やサポーターになめられる傾向があり、一般的ではない戦術的な選手起用や、超攻撃的な布陣から、チームが崩壊していくことも多いのです。 ですから、2004年から2006年の浦和レッズが成功したのは、エンゲルスの戦術や戦略とブッフバルトの選手としての経験やカリスマがうまく合わさった上での成功だったと思えます。 ブッフバルトは言うまでもなく、ドイツが90年のイタリアワールドカップのタイトルを獲得した時の中心になったストッパー(決勝戦であのマラドーナを完封!!)で、Jリーグでプレーした選手の中で最もクオリティの高いプレーヤーでした。 そして、人間的にも尊敬できる素晴らしい人物です。 ブッフバルトなら誰も文句は言わないでしょう。 なんというか、ブッフバルトがそこに居るだけで安心と感じた方は多いかと思います。まさにディフェンス界のカリスマです。 彼が居ればディフェンスが崩壊することは無いでしょう。 ただし、ディフェンダー出身なので攻撃や戦術の引き出しは少ないのではないかと思います。それを補ったのがエンゲルスです。 ちなみに、現代表の岡田監督は現役時代『頭脳派ディフェンダー』と呼ばれていた人だそうです。なるほど現代表も頭脳派のディフェンスをしています。 ですが、攻撃的なアイデアが足りな過ぎるので、岡田監督が考えると全て失点しないための逆算したチームになっていってしまいます。 それがブーイングの原因でしょう。 エンゲルスは、実は日本にアリゴサッキ(A.C.ミラン)のゾーンプレスを持ち込んだ人物です。 加茂監督が行ったゾーンプレスは、エンゲルスがほぼ独力で研究して生まれたことが明らかになっています。 加茂監督時代の横浜フリューゲルスや日本代表では、それは正しく機能しませんでした (主にその原因が加茂監督の4-2-2-2システムにあったことは、杉山茂樹氏が指摘しているところです) 日本サッカーの源流は、主にブラジルとドイツです。 どちらにもプレッシングの概念が無かった国です。 そこに最新のプレッシングサッカーを持ち込もうとした時に、消化不良を起こしたのではないでしょうか? が、横浜フリューゲルスに転機が訪れます。 時は1998年、加茂監督が日本代表の監督を更迭され、第一次岡田ジャパンが、岡野のゴールでワールドカップ初出場を決め、フランスワールドカップ本大会を闘う、まさにその年に、横浜フリューゲルスに一人の人物がやって来るのです。 その名は、カルロス・レシャック サッカー界伝説のカリスマ、ヨハン・クライフの相棒としてFCバルセロナの右ウイングとして活躍し、トータルフットボールを創り上げたスペインリーグ得点王。 そして、クライフ監督の元でバルセロナの黄金期(4連覇)を支えたヘッドコーチであり、後に監督も務めた彼が日本にやって来たのです。 もちろん採用したシステムは3-4-3(3-3-3-1)クライフのバルセロナと同じシステムでした。 日本に欧州サッカー最高の血脈が移植された瞬間でした。 しかし、やった事の無いシステムに戸惑ったのか、結果は、良く無く、ファーストステージこそ10勝7敗だったものの、セカンドステージの成績の不振によって第8節をもってレシャックは辞任してしまうことになる。 日本におけるトータルフットボールの日の目が消えてしまう瞬間でした。 そして更なる悲劇が追い打ちをかけたのでした。 横浜フリューゲルスが、親会社(佐藤工業))の経営不振によって解散という事態になってしまったのです。 フリューゲルス(翼)の片方がもげてしまった飛行機(もう一つの親会社は全日空)は墜落寸前でした。 その絶体絶命のフリューゲルスの指揮をとったのが、レシャックの元でヘッドコーチをしていたゲルト・エンゲルスその人でした。 エンゲルスのフリューゲルスは、横浜フリューゲルスの解散が決まってから、オドロクべき快進撃を続けるのです。 セレッソ大阪相手に7−0の大勝をしたのを皮切りに、Jリーグを4連勝で終えます。 そして、天皇杯も5連勝で遂に天皇杯のタイトルを獲得するのです。 この間9戦全勝 27得点7失点 超攻撃的サッカーは、この時、たしかに機能したのです。 横浜フリューゲルスが存在の危機によってチームが結束し強くなったのは、その通りです。 しかし、それはただそれだけの理由では無いように思われます。 クライフ=バルセロナ=レシャックのサッカーはこの時、ゲルト・エンゲルスというドイツ出身の日本のプレッシングサッカー研究家の手によって、日本にその種を発芽させたのでは無かったのでしょうか? しかし、その成功もむなしく、横浜フリューゲルスは、横浜マリノスに吸収合併されてしまいます。 この時、Jリーグが誕生してから、最悪の瞬間を迎えたのです。 その後、エンゲルスは、ジェフユナイテッドの監督に就任しましたが、成績不振を理由に途中解雇されています。 そして、後に京都パープルサンガの立て直しの為、加茂監督のコーチに再び就任しますが、後半かなり立て直したもののJ2に降格、 エンゲルスは監督に就任します。 そして、この京都パープルサンガがJ2で旋風を巻き起こすのです。 システムはバルセロナ直系の3-4-3 2001年 28勝11敗5分け 79得点48失点。で優勝 センターフォワードの黒部は、なんと30得点を上げています。 翌2002年にはついに天皇杯を制します。(余談ですが、僕はこの天皇杯の決勝を国立で生観戦してました) そして、この京都パープルサンガに居て3トップの左右を担当したのが、韓国をワールドカップベスト4に導き、PSVをUEFAカップチャンピオンにさせ、マンチェスターユナイテッドで定位置を確保した、パクチソン。 そしてフランスリーグアンのルマンでセンセーショナルを巻き起こしフランスリーグアシスト王に輝いた松井大輔でした。 これは、偶然素晴らしい選手が京都に居たというより、エンゲルスが彼らの才能を開花させたと言ってよいのではないでしょうか? というのも、エンゲルスは彼らをサイドアタッカーとして起用したのです。 それは 3−4−3システム、3トップを導入しない限り、存在しないポジションでした。その適性なポジションで彼らの才能は開花したのです。 それまでは、松井は典型的なトップ下のテクニシャン。パクチソンはボランチの選手でした。 もし、エンゲルスというコーチが居なかったら、横浜フリューゲルスにカルロスレシャックという人物が監督に就任し、エンゲルスがヘッドコーチを務めなかったとしたら、松井とパクチソンのその後の活躍は無かったかもしれません。 この事について、もう一つの証拠を提示します。 それは、レシャック×エンゲルスが率いた1998年の横浜フリューゲルスのメンバーです。 1998年の横浜フリューゲルスのメンバーはこちら このメンバーがまた興味深いのです。 その中でも、1998年、一人の高卒ルーキーがレシャック×エンゲルスのチームに入団しました。 それが、遠藤保仁選手です。 レシャックは、彼の才能を大いに認め、開幕からスタメンで起用することになります。 ポジションはセンターハーフと右ウイング。 これは、遠藤選手のサクセスストーリーの始まりでした。 そうです、なぜ彼が正しいインサイドキックを自由自在に蹴れるのか?がこのことから浮かび上がってくるのです。 カメルーンに勝つための日本代表改造計画3 正しいインサイドキック カメルーンに勝つための日本代表改造計画4 バルセロナのパス回しの本質を掴めも参考に クライフ=アヤックス=バルセロナ=カルロス・レシャックのサッカーは、遠藤保仁という選手の中に生き続けているのです。 それだけではありません、トルシエジャパンの中に、京都、ガンバ、そして浦和と、その芽は確実に伸びていったのです。 つづく ヨハン・クライフ名言集 その2 「アヤックスとはサグラダ・ファミリアのようなもの。どちらも1日でできあがるわけではない」 「ボールを回せ、ボールは汗をかかない」 「フットボールでは100mより30mから40mを速く走ることが重要。だがもっと重要なのは『いつ』走るかだ」 サッカー日本代表対オランダ戦と日本サッカーのこれから イチローのメジャー2000本安打とサッカー日本代表が進む道も参考に text by contemporary creation+ http://www1.parkcity.ne.jp/ccplus/ contemporary creation+ (吉祥寺 大正通り)では、セリエAなどの選手が着ているカッティングエッジなデザイナーズブランドの服が格安となっております。 ぜひご利用ください。 関連記事 サッカー日本代表対オランダ戦と日本サッカーのこれから イチローのメジャー2000本安打とサッカー日本代表が進む道 速い選手が70%の力でプレーする重要性 サッカー日本代表対ガーナに見る守備の崩壊 岡田ジャパン3連戦総括と日本代表の未来 トルシエジャパンは強かった!? 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| 2010-02-10 21:28
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