カメルーンに勝つための日本代表改造計画のつづきです。
当ブログの、現時点におけるカメルーン戦 先発推奨メンバー(A代表・S代表込み)4-3-3
松井 森本 長友
遠藤 トゥーリオ 稲本
中田浩二 岩政 伊野波 長谷部
楢崎
さて、なぜこのようなメンバー構成にしたのか?こちらで解説する前に、是非みなさんも考えてみてください。
日本の闘い方
現在の岡田ジャパンは、先行逃げ切り型の闘い方になっている。
日本代表の前半の運動量は世界一に近いが、後半の運動量は最低レヴェルというデータが出ている。
今回の南アフリカ大会の会場は2試合(カメルーン戦とデンマーク戦)が標高1400〜1500メートルの高地で行われる。
余計に後半足が止まることが予想される。
サッカー日本代表対オランダ戦と日本サッカーのこれからも参考に
現在の日本代表には守備力が無い。
足が止まれば、必然的に失点することになる。
『0勝3敗』という刺激的なタイトルの本が本屋に並んでいたけれども、このままでは、それが現実になる可能性は極めて高い。
だから、後半に運動量を増やせるように、まず、日本代表の闘い方を『後半型』に変えなければならない。
日本代表が目指しているのは、美しいパスが回って有機的な展開からのゴール。
こういったシーンを、たしかに現在の代表でも、たまに見かける。
それは素晴らしいゴールだと思う。
だから、出来ないわけじゃない。
しかし、それを90分間ずっと続けられるか?というと、明らかに無理だ。
最近のU-17日本代表が、史上最強世代と言われながら、全く勝てないのと一緒で、ある時は有機的に上手くいくが、ある時は有機的にダメになっていくのだ。
宇佐美貴史とU17ワールドカップナイジェリア大会 日本対ブラジル
宮吉拓実とサッカーU17ワールドカップ ナイジェリア大会 日本対スイス
あと5センチ!!サッカーU17ワールドカップ ナイジェリア大会 日本対メキシコ
それは表裏一体なのだから当然といえば当然なのだった。
その表裏一体だという現実を追求したのが、実はヨハン・クライフという人である。
岡田監督や日本サッカー協会の人達が、バルセロナやスペインサッカーのやり方を取り入れようとして壁にぶち当たっている。それも日本人らしくやろうとして失敗している。それが正しい現状の認識だと思う。
バルセロナ=クライフのサッカーに関しての本質は、そのうち取り上げる予定だ。
「これを90分間続けないと勝てない」と岡田監督は言うけれども、そんなことは出来ない。では、どうするのか?
ダメにならないように、いかに有機的なサッカーを作ることが出来るか?
それは、どこで有機的なパス回しをした連動サッカーで点を取りに行くのか?というポイントを作りなさいという話になっていく。
そしてそれは時間のマネジメントにカギがあると考えられる。
サッカーの試合は90分
これを3つに分割すると
前半45分+後半15分=60分
後半15分〜35分=20分
後半35分〜45分+ロスタイム=10分+α
という3つの時間帯に分けられる。
大まかに言って、最初の60分が先発の11人で闘う時間。
次の20分が、2人の交代枠を使って、サッカーをする時間。
最後の10分が、勝っているか、負けているか、引き分けているかによって、全く闘い方が異なる時間である。この時に最後の1人の交代が行われる。
これは、現代サッカーにおける基本的な時間のマネジメントである。
もちろん、チーム状態が悪い場合は、後半の立ち上がりから選手を変えることも考えられるが、ハーフタイムに選手はある程度回復するので、この時間の使い方が、90分間におけるサッカーにおいて最も効率的な闘い方であることは確かである。
で、もちろん、この後半15分〜35分=20分間に勝負をかけるサッカーをするのが、最も効率が良いのだ。
この20分間限定であれば、体力は持つ。
精神力もテクニックも、なんとかなる。
出来れば、この20分間で2点取る。
そうすれば、たとえ前半に0-1で負けていたとしても逆転出来るのだ。
日本は1−0で勝つよりも2−1で勝つ試合の方が、確率が高いと思う。
そして、最後の10分間は、負けていたら、もちろんパワープレー
勝っていたら、時間を引き延ばすプレー。
引き分けの時は、勝ちに行くのか?そのままなのか?きちんと全員が把握することが必要だ。10分間なら、なんとかなる。
まず、このような時間のマネジメントがあって、日本はどういう闘い方をしていくのかが問われるのだ。
その上で、どういうメンバーを先発させ、誰を交代で出すのか?が問われなければならない。
僕の考えでは、日本は後半15分〜35分に勝負をかけるので、ベストメンバーは、その時に揃う=つまり、その時点で流動的にパスを繋いで走って点を取りにいくメンバーが揃っていなければならないと考える。
逆に言えば、先発の11人は、日本が後半15分〜35分に勝負をかけられるように準備するためのメンバーということにもなるわけです。
先発=ベストメンバーと考えている人は多いと思いますが、サッカーの試合で勝つためには、90分トータルの闘い方を考える必要があるのです。
それが戦術であり、監督は、その戦術を考えた先発と交代メンバー選びをしなければならないし、選手はその意図、つまり戦術を理解していなければならない。
現状の岡田ジャパンは、その戦術がまるで見えて来ない。
それが、一番の問題なのです。
そして、人間の集中力が切れるのが、およそ開始60分と言われている。
これは、後半に2人の交代選手を投入する時期と一致している。
その時に、対戦相手にとって最も嫌な選手とは、
1、スピードのある選手
2、運動量がある選手
3、上記のどちらかの要素を持ったドリブラー
ということになる。
これらの選手を投入する事で、攻撃サッカーの引き金が引かれるわけだ。
これらの要素を備えた選手とは
スピードのあるドリブラー
石川直宏 永井 田中達也
スピードがあるスペースへ走り込むタイプのストライカー
玉田 杉本(名古屋)
運動量が豊富なドリブラー
大久保 乾 本山
運動量が豊富でスペースへ走り込むタイプ
岡崎 佐藤寿人
などが考えられる。
いずれにしても、スピードのある選手と運動量のある選手を組み合わせることが基本となる。
運動量が豊富なドリブラーとスピードがあるスペースへ走り込むタイプのストライカーを組み合わせるのは、相手が引いて守っている場合。
スピードのあるドリブラーと運動量が豊富でスペースへ走り込むタイプを組み合わせるのは、相手が高い位置を維持し、スペースがある場合に有効だ。
アジア予選の時に、スピードがあるスペースへ走り込むタイプのストライカー
玉田と運動量が豊富なドリブラー大久保の組み合わせが機能したのは、相手が引いて守っている場合が多かったためだ。
運動量が多いドリブラーが、敵陣の守備網に穴を開け、スピードのある選手が点で合わせる攻めが機能したわけです。
ワールドカップ本大会では、デンマーク以外の国が後半15分の時点で引いて守ることは考え辛いので、基本的には、スピードのあるドリブラーと運動量が豊富でスペースへ走り込むタイプを組み合わせる可能性が高いだろう。
つまり、切り札は、現時点では、石川直宏と岡崎が有力ということになる。
冒頭で、僕は岡崎を先発にしないメンバーにした。
それは、岡崎を後半15分に投入するためなのです。
岡崎を先発で使わないという選択肢が分れば、先発メンバー選びは、ひと味違った面白みが出てくるわけです。
つづく
text by
contemporary creation+
http://www1.parkcity.ne.jp/ccplus/
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