ここで、鹿島アントラーズの本山雅志選手について考えてみたい。
彼は言うまでもなく、ナイジェリアワールドユース準優勝、シドニーオリンピックベスト8の立役者であり、東福岡の高校3冠、鹿島のJリーグ3連覇、通算5勝など、最近10年の中で最も多くタイトルを獲得している男であり、近年で最も記憶に残る男でもある。
しかし、どういうわけか、日本代表のフル代表でのみ活躍を見ることが出来ていない不思議な男だ。
なぜ、歴代の監督は、これだけの才能と実績を残し続けてきた選手をフル代表の中心に据えなかったのだろうか??
前回見ていただいたビデオを見れば、この男の才能は明らかであるにも関わらず。。
本山のプレー集
http://www.youtube.com/watch?v=7FqIQPx3lCo&feature=related
本山雅志 ドリブル パス シュート
http://www.youtube.com/watch?v=ctq5BSt8xlk&feature=related
その一つに、本山雅志選手は足が遅いらしい。ということがある。
なんでも50メートルを7秒5で走ったのが最も速い記録だそうで、現在ではもっと遅いらしい。
この記録がどれくらい遅いのか?というと、僕は特に足が速いわけではないけれど、たしか中学の時に50メートルが7秒2だったと思う。
ようするに、1流アスリートとしては足が極端に遅い。
背が高いわけでもフィジカルが強いわけでもない。
中村俊輔ほどフリーキックが上手いわけではなく、中田英寿ほどフィジカルやシュート力が強いわけでもなく、森島ほどスペースへの飛び出しが上手いわけでもないし、小野ほどトラップが上手いわけでもない。
世界レヴェルで闘うには、フィジカルと総合力で一歩劣る選手と監督達全てに思われてしまったのだろう。
そしてフル代表で活躍していないことから、一般のファンにまでそう思われるようになってしまった。
本山雅志待望論というのは、世間であまり聞かない。
おそらく、本山選手のプレー集を初めて見たという人も多かったに違いない。
しかし、本当に本山雅志選手は、中田や小野や俊輔や森島や遠藤よりも一歩落ちる選手なのだろうか??
ここで疑問に思うことは、映像を見ていて彼が足が遅いように見えただろうか?ということなのだ。
全然遅くないというか、むしろスピード感あふれるドリブルとパス、切り返しに見えたと思う。
本山のプレー集
http://www.youtube.com/watch?v=7FqIQPx3lCo&feature=related
本山雅志 ドリブル パス シュート
http://www.youtube.com/watch?v=ctq5BSt8xlk&feature=related
これはなぜなのだろうか?
スピードとは何だろうか?
足が遅いにも関わらず、プレーのスピードが速い。
それは、本山がイメージの伝達速度が著しく早いためなのではないだろうか??
イメージの伝達+処理スピードよりも、筋肉の動くスピードの方が遅いために余裕を持ってイメージが的確に伝達されているのではないか??
肉体的な限界を神経系が上回っているために、的確な情報処理が行われる。
これは、スピードがある選手がスピードを100%使わずに70%で余裕を持ってプレーすることに似ている。
速い選手が70%の力でプレーする重要性
おそらく、スピードある選手が70%のスピードでプレーするのと、本山選手のように情報処理能力が著しく早く正確で足の遅い選手がプレーする余裕は同じくらいなのかもしれない。
だから、動き出しが早いし、ポジション取りが良い。
そして的確に相手ディフェンスをくぐり抜け、ワンツーやラストパスを出せる。
しかし、本山とコンビを組む選手が、本山のイメージのスピードについていけないと、ちぐはぐな攻撃になってしまうのだ。
本山の能力が在り過ぎるために。
つまり、本山選手の能力は、味方の選手の能力があればあるほど発揮されていくのではないか??
これは経営学で言うシナジー効果だ。
もう、なぜ本山の側にいるスター選手がスターで居られ、タイトルを取り続けることが出来るのか?分ってきたかと思います。
本山の情報処理能力がスゴいのです。
だから、プレースピードが速くなるのです。
本山が活躍する時は、横に必ず目立つスター選手が居た。
ワールドユースの時の時は、小野伸二。
オリンピックでは中田英寿と中村俊輔。
鹿島アントラーズではビスマルクに小笠原。
メディアは常に彼らに注目し続け、本山には一向にスポットが当たらなかった。
目立たない本山。その割に、毎年毎年タイトルを獲得し過ぎてはいないだろうか??
そもそもワールドユース準優勝は、本山がスーパーサブとして大活躍したから成し遂げられたタイトルであるし、オリンピックでもそうだ。
僕は本山がスーパーサブで出場していたシドニーオリンピック代表チームが、歴代の日本代表の中で最高の代表だったと今でも確信している。
メンバーは
楢崎
森岡 中澤 中田浩二
酒井 稲本 明神 中村 中田英寿
柳沢 高原
スーパーサブに本山
平瀬 三浦淳宏 宮本 松田
オリンピックで負け・引き分けた試合は全て本山を5分以上使っていない試合である。
本山が5分以上出場した試合は全て勝っているはずだ。
嘘だと思うなら調べてみてください。
シドニーオリンピック日本代表は、予選・本戦を通じて16試合闘い、14勝1敗1分け 72得点9失点
親善試合においても韓国に2勝 4-1 , 1-0の完勝だった。日本がライバルの韓国にこれだけ差をつけたことは歴史上他には無かった。
記録はこちらを参考に
http://sktmski.fc2web.com/u23japan/sidoni.html
ワールドユースでも本山はスーパーサブとして結果を出し続けた。
そして小野伸二の出場停止で本山が先発出場したスペイン戦で日本は4−0の完敗を喫してしまう。
これらの事実を見て分るように、どうやったら本山の能力をより効果的に発揮させることが出来るのか?それは、彼を後半の途中から出場させることです。
つまりスーパーサブです。
彼は情報処理能力を的確に伝えることが出来るテクニックを持った選手なのです。
試合を途中まで見ていれば、味方の選手がどう動くのか?相手の選手はどう動くのか?それをどのように動かせば、より効率的に状況を打開出来るのか、イメージとして瞬間的に処理する能力があるのです。
ですから、途中から出場させる方が、より効果的に試合を決定付けることが出来たのです。
もちろん、スタミナもテクニックもあるので、普通に使っても良い選手だったでしょう。
でも、それは普通に良い選手であるというに過ぎません。
しかし、本山は、スーパーサブで出場させれば『類いまれな』選手に変身するはずです。
こう考えると、なぜ遅筋中心の本山選手が、スーパーサブとして活躍していたのか?その本来持っていたスタミナを武器にフル出場して動き回るようになってから、彼がかつての輝きを失っていったのか?にも関わらず、チームがタイトルを穫り続けることが出来たのか?全てのナゾが解けます。
つづく
text by
contemporary creation+
http://www1.parkcity.ne.jp/ccplus/
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