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久々に環境問題について 度々紹介している講談社の『エコログ』ですが、今回のは編集者オススメらしいので読んでみました。 田坂広志氏のインタビュー 複雑系からポジティブフィードバックの話。 矛盾について それから人工と自然について面白いこと言ってます。 講談社の『エコログ』から 引用 田坂 具体的、定量的に未来を知ることはできないが、「理」を理解することによって、大局的な発展の方向や、大きな変化の傾向は、分かる。それが、今回の私の本、『未来を予見する「5つの法則」』において述べたかったことです。では、その「理」を、どうやれば知ることができるのか。そのためには、世界の変化、発展、進化の「理」、すなわち摂理や法則を述べている哲学を学ぶことです。 中略 田坂 別な例えで言えば、人生において「困難」があるからこそ、達成したときに「喜び」が大きいのですね。我々は、仕事でも「大変な仕事だ」と愚痴をこぼしますが、では、誰がやってもできるような簡単な仕事なら幸せかというと、それでは「働き甲斐」が感じられない。このように、我々の人生も世界の理も、すべて、「矛盾」こそが本質なのですね。 田坂 むしろ、その世界に、人間が人知と人為で小さな世界を作ったわけです。「矛盾のない、論理的な世界」です。なぜなら、矛盾というものに処するには、人間として相当の成熟した力量が必要になってくるからです。誰もが、矛盾に処することができるわけではない。だから、大人になるということは、本当は、矛盾に処する力、矛盾を受容する力、さらには、矛盾を楽しめる力を身につけることなのですね。それが、私にとっての「大人」の定義ですね。 中略 田坂 それを象徴するのが、「人工」対「自然」という考え方です。この「人工」という言葉は、深く考えると、ある種の錯誤した言葉なのです。 中略 田坂 これをさらに面白い例えで言うと、もし、宇宙の彼方から極めて高度な知生体がUFOで地球にやってきて、我々人類の文明や整然と構築された都市を見たら、何と思うか。おそらく、我々人間が蟻塚を見たときと同じように思うでしょう。なんと素晴らしい「自然の営み」かと。つまり、我々が「人工」と言っているものも、実はどこまでいっても「自然の営み」に過ぎないのです。この人類も、人類の生み出した都市も、文明も。 枝廣 なるほど。 田坂 すなわち、この世界を「人間が創ったもの」と「自然が創ったもの」とに分け、これは「人工」、これは「自然」と考える二項対立的な発想から、実は、現在の地球環境問題を始めとする様々な問題が起こっているのです。従って、この二項対立的発想を持ったまま、「地球に優しく」とか「環境を大切に」とか言っているかぎり、これらの問題の根本的な解決はできないのです。 以上引用終わり http://moura.jp/ecologue/ecoist/index11_3.html ウェブでは無謀な5万字インタビューだそうで、後編も質がメチャクチャ高いそうなので、ぜひ読んでみてください。 僕も『矛盾』という言葉が大好きです。 ちなみに、僕が作っているTシャツに、『片方が表で、片方が裏』になっているTシャツがあります。 リバーシブルで着れますが、どっちにしても、片側が裏になります。ふふふふふ(笑) で、前から言っている環境系のサイトですが、全く進んでいないのですが、とりあえず、第一回のレポ出しておきます。 そのうち何かカタチになっていくのでは??ないかなあと期待して。。 これは、コアメンバーで行った多摩川の水源林である『笠取山』のレポです。 笠取山は山梨県にあるのですが、東京都水道局が管理している多摩川源流の山です。 この山から産まれ出た水が集まって、我々東京都民の飲料水を支えているのです。 行った当時は10月の終わり頃で本当に紅葉が綺麗でした。 一ノ瀬高原まで紅葉のトンネルをくぐり抜けていくような感じです。 歩き始めは、杉林の人工林が多いです。 そのうち、落葉広葉樹林になっていきます。 実際に歩くと分るのですが、落葉広葉樹林の道というのは、オドロクほど歩きやすいのです。本当に道がふかふかなのです! 足への疲労度が全く違います。 落葉広葉樹は、毎年大量の落ち葉が発生します。それが何十年何百年何千年と積み重なって層になっていくのですね。 そういうものは、簡単に雨が降ったからといって流れ出したりしません。 落ち葉の層を通った雨水は、濾過され、栄養分が与えられ、まろやかな水になってやがて川になっていきます。 そこでは魚をはじめとした様々な水生生物が暮らします。 笠取山を初めとする、奥多摩の奥地の森林は、東京都の水源林として管理されているので、人工林の経済的価値よりも、水源としての価値の方が優遇されているわけです。 これが、私達の暮らしを支えている『森』です。 一方、経済のために作られた杉の人工林は、地面がもっと固いのです。 それは常緑樹だから、葉がほとんど落ちないためです。 人々が大勢歩いていくとそこに雨の流れが出来て、表土が流れ去り、段々掘れていくのです。 やがて道は赤土が露出します。 関東周辺は、浅間山や富士山の火山灰に覆われているので、少し掘れば直ぐ赤土になります。 この土は川に流れ込み、川底を上げていきます。 そうすると堆積した土砂のために砂防ダムを作ることになります。 川の流れが変わっていってしまいます。 こういう事は、『その森がもたらす二酸化炭素の量』では、全く表せない事なんですね。 『気持ちの良さ』っていうのも定量化出来ないものの一つですね。 新緑の美しさとか、雨の後の緑の美しい感じとか、木陰の風の気持ち良さとか、紅葉の色彩とか。。 道を行くと、やがて表面の皮が無惨に無くなった大木が頻繁に現れてきました。 これは何だ? 熊じゃないの?? 「怖え〜」 後で判明するのですが、この皮が剥がれた木は、実は鹿が食べたものでした。 人間が害獣として、熊や狼などの捕食者を狩ってしまったこと、そして何より、『自然保護』といって生態系の重要な担い手であるところの『捕食者である人間』が鹿を狩る事を止めてしまった事が、鹿の生息数と生息範囲を拡大させ、山の森林に深刻なダメージを与えているのです。 鹿は、普通の草食動物が消化することが出来ないセルロース分の多い木の幹まで食べることが出来るので、木が立ち枯れたり、鹿が繁殖する地域に生えているのは、毒草だけというところまで現れています。 エコロジーというのは、『生態学』つまり、生命を育むあらゆる仕組みを知ることです。 二酸化炭素とか、そういう問題ではありません。 『自然保護』という言葉も、気をつけて使わないと大変な自然破壊に繋がることだってあるのです。 私達は、自然の一部であって、自然の外側に存在するわけでは無いのです。 環境問題とは何か? それは常に現実を見て問題を理解していくこと、関わっていくこと全ての営みである。 それが出発点です。 私達の生活というか生命を支えている水の始まりは、こんなに細々としたものです。 でも、やがてそれがもっと大きな流れになって、我々の全てを支えているのです。 ようやく辿り着いた笠取山の山頂で、この水源の水を使ってコーヒー煎れました。 美味過ぎる!! 重い機材を運んだ Kくんお疲れさまでした! この体験は、私達のかけがけのない財産になることでしょう。 自然は難しいです。でも面白いです。 そのうち、つづきます! 地球温暖化について 環境省はネオナチか?? 生物が教えてくれるデザイン
by ccplus
| 2009-06-23 18:42
| 環境
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