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竹田
「そうですね、じゃあ東京はファッションが楽しめる土地なんですね。でも私、全然ファッションを楽しんでないです。」 gento 「じゃあ楽しんでみますか?試しにこのBALENCIAGAのジャケットの腕に手を入れてみて下さい。」 注 BALENCIAGA(バレンシアガ) フランスの老舗ブランドで、現在世界で最も注目を集めているデザイナーの一人、ニコラゲスキエールがデザインを手掛けている。2006年にはパリ装飾博物館で大規模な回顧展が行われた。洋服業界の誰もが憧れる、パリコレのトップブランド。 (竹田ジャケットの袖に腕を通す) 竹田 「え、なんですか、これ?ものすごく気持ちいいです!」 gento 「これがパリの老舗メゾンの本当のスゴさなんですよ。着心地がわけわからなくスゴいんです。気持ちいいというより官能的でしょ。」 竹田 「ほんとです、これは快楽ですよ。麻薬みたいに抜けられなくなりそう。なんか知ってはいけない世界のような気がします。」 gento 「ま、おいそれとは買える金額ではないから、大丈夫といえば大丈夫なんだけどね 笑」 竹田 「ちなみに、この辺のジャケットはいくらくらいするんですか?」 gento 「普通はジャケットで15万から20万くらいかな。もっともそれは半額で売ってますけどね。」 竹田 「...全然知らない世界があるのですね。」 gento 「そうですね、ふつうの人はこんな服着てみる機会がないから分らないと思うんですが(笑)こういう服を着ると、自分の中の何かが立ち現れてくるような気がします。なにかが目覚める服みたいな(笑) じゃあ今度はAnnemie Verbekeのニットを着てみる?」 注 Annemie Verbeke(アネミーベルベッカ) ベルギーのブリュッセル派を代表するデザイナーで、特にニットのコレクションが素晴らしい。2006年ベルギーはブリュッセルモードがイヤーテーマで、ブリュッセルのカンブル校の先生である彼女がスポットライトを浴びた。 竹田 「ニットは大好きです。でも、いつも全然似合わないんですよ。店員さんていつも”お似合いですよ”とかしか言わないじゃないですか? で、似合ってるんじゃないかと思って買って、あとで写真見たりすると全然似合ってないじゃないかと思ったり..」 gento 「僕は”似合わないってお客さんにわりとハッキリ言いますけどね。変わった服屋なので」 注 お客さんに、ずけずけ似合わないなんて言わないでください。傷付くじゃないですか?と言われたこと何度もあり。でもさ、僕が売る前に言った方が、買ってから周りに非難されるより全然いいと思うのですが。。そうじゃないですか?? (竹田ニットを着る) gento 「着ると全然違うでしょ?どう??」 竹田 「えー、こんな風になっているんですね。見ただけだと本当に全然分りませんね。でも、なんか似合わない気がする。」 gento 「そうだな、じゃ、こっちの方はどう??」 竹田 「では着てみます。」 (竹田ニットを着て出てくる) gento 「あー、こっちの方が似合うね。ほらフロントがクシャクシャっとしていたり、ここがふくらんでいたり、絞れていたりするでしょ。」 竹田 「ほんと、服って立体なんですね。着ないと全然分らない。私、今まで全然試着しないで買ってたりしたんですよ。」 gento 「それは駄目でしょ。基本的に試着させてくれない服屋は問題外だと思うよ。服は着てみないと絶対分らないから。 バイヤーの僕でも、見ただけではよく分らないものがいっぱいあるくらいだから、まして一般の人が分るわけないですよ。」 竹田 「でも、試着させてくれない店いっぱいありますよ。」 gento 「白い服とかシルクとかオーガンジーとかを興味本位で試着されると困るけど、他は全然問題ないはずですよ。 服は立体だからこそスゴいし、面白いんですよ。 僕も服というものを真剣に考えなかったら、立体というものがうまく理解出来なかったかもしれないと思う。 元々絵が好きだったし、二次元系なんですよ。」 竹田 「二次元と言ってもアニメ好きの二次元とは違う二次元ですよね?笑」 gento 「もちろん、アニメも好きなことは好きだけど、それとは違う二次元です。笑 ふつう、絵とかって平面的に捉えるじゃないですか、視覚的に。。遠近法みたいなのはあるにしても、ということですが。でも、服っていうのは、それだけじゃなくって、三次元なんですね、立体なのです。そして、着心地とか動きとか、他にも様々な要素を併せ持った一つの『宇宙』みたいなものなんだと思うんです。」 竹田 「そういえば、このニットも、スゴく着心地が良いです。」 gento 次のニットもイタリアのエキストラファインの柔らかいニットです。これはカタチが面白いんです。」 (竹田ニットを着る) 竹田 「えー、何だろう。これはさっきのと全然違いますね。こういうデザインって見た時は絶対に似合わないと思ったけれど、着てみるとなんだか嬉しくなります。 動きたくなりますね。」 gento 「これはスゴく似合ってますね。さっきのと全然違うでしょ。これはわざと余分な部分を作っているんですね。動きによって布が動くんです。だから動くのが楽しい。」 せっかくだから、下もA.F.VANDEVORSTのスカートを履いてみてください。」 注 A.F.VANDEVORST(エーエフヴァンデヴォスト) パリコレに旋風を巻き起こしたベルギーアントワープの第二世代を代表するデザイナー。ヨーゼフボイスに影響を受けたインスタレーションで衝撃的なデビューを飾った。2005年にはアントワープモード美術館で大規模な回顧展を行った。 (竹田スカートを履く) 竹田 「これも、とても面白いですね。」 gento 「このスカートは、後ろの部分に布が沢山畳まれて付いているんですね。だから後ろに重みがあるんです。着た感じがなんか違うでしょ!?」 竹田 「はい、なんか違和感があります。」 gento 「これは、わざと何かを付け加えることによって、何かを感じることが出来るようにデザインされているんですよ。」 竹田 「服を着ることで、自分の中の何かが変化するような気がします。 そんなこと今まで全然考えたこと無かったです。 私、コスプレとかは好きじゃないんですよ。でも、これはコスプレとは違って、別のものに変身するというよりも、何か自分の中の未知なる部分が出てくるような気がします。私、冒険とかにすごく惹かれるので、そういう感じに近いのかな? えー、ほんとに洋服着るのって楽しいですね!」 gento 「そう言っていただけると嬉しいです。じゃ、こんなのはどうですか?MARTIN MARGIELAのビッグシルエットのニットです。」 注 MARTIN MARGIELA(マルタンマルジェラ) ベルギー、アントワープを代表するスターデザイナー。20世紀後半において最も重要なデザイナーと考えられることが多い。エルメスのチーフデザイナーとしても活躍していた。 (竹田ニットを着る) 竹田 「これは素材は何ですか?」 gento 「コットンですね。」 竹田 「気持ちいいですね。でも、これは楽過ぎて、動きたくなくなってしまいます。外に出たくない感じです。 gento 「服の素材やカタチによって、人間はアクティブになったり、リラックスしたり、様々なんですよ。」 竹田 「ほんとですね、服によってこんなに違うとは思わなかった。」 関連記事 マルタンマルジェラの傑作スニーカー 最新入荷情報 このプリントTシャツはスゴい!もはやアート作品です!! saisirの2010SSコレクション入荷 JACK HENRY 2010SSコレクション入荷 自分の中の何かが変化 する服 アントワープ・パリコレ・千利休 ステラ・マッカートニーのシルクトップ munthe plus simonsenのシルクトップ 店内写真です マルタンマルジェラ 2002SS の甲冑 A.F.Vandevorst Martin Margiela DIRK VAN SAENEの1999SSペーパードレス Anke Loh 2002/03A/W カーボンドレス undo by shinpei haraデニムパンツ GAREブラウス H artinasal hand by.. SHIRTS+TOP 02 TAKIZAWA NARUMI 2009SSが素晴らしいことについて contemporary creation+ contemporary creation+communication development #101 2-31-2 kichijyoji-honchyo musashino city tokyo japan 180-0004 tel / 0422-20-8101 open 12:30-21:00 close : monday +friday(月+金=休) http://www1.parkcity.ne.jp/ccplus/ ↑吉祥寺駅 □東急 □藤村女子学園 □すみれ幼稚園 ------------------------------------------------------------------- 大正通り □contemporary creation+ ↓北 -------------------------------------------------------------------- 五日市街道 contemporary creation+ contemporary creation+communication development #101 2-31-2 kichijyoji-honchyo musashino city tokyo japan 180-0004 tel / 0422-20-8101 open 12:30-21:00 close : monday +friday(月+金=休) http://www1.parkcity.ne.jp/ccplus/ ↑吉祥寺駅 □東急 □藤村女子学園 □すみれ幼稚園 ------------------------------------------------------------------- 大正通り □contemporary creation+ ↓北 -------------------------------------------------------------------- 五日市街道 #
by ccplus
| 2007-09-19 20:23
| FASHION
竹田
「そうなんですか。場所といえば、洋服のブランド名のところにPARIS とかLONDONとかって入っているの多いですよね?他のプロダクトでは、地名が入っているものはあまり見かけないのですが、なんでなのでしょう?」 gento 「PARISと入っているのは、基本的にパリコレに参加してるブランドが多いんですが、もちろん売るためということもあると思いますけど、 ーーーーーー土地が産み出すファッションーーーーーーー ファッションというのは土地と結びついていると思うんです。 パリコレにはパリコレの、ロンドンコレクションにはロンドンコレクション、ミラノやニューヨークや東京にも、それぞれ独特の空気というか切り口があると思います。 ファッションは土地抜きには語れないと思うんですね。 たとえば、中東の砂漠地帯でイスラム教の人が着丈の長い白装束を着て、頭にターバン巻いたり、女の人はスカーフかぶってたりしますよね。 これは、元々砂漠の強烈な日射しから身を守るために白い服やターバンやスカーフを着ているということと、風通しをよくするためにゆったりした長い服にしているということがあると思うんですね。 世界中で宗教対立みたいなことが言われていて、民主化や自由や様々なことが言われて爆撃まで起きた最近です。 でも、イスラム教の主流な人達が居るような砂漠地帯で、イスラム教の戒律に従った全身白装束の人と、自由で民主的な服装のたとえばタンクトップに短パンの人が強烈な太陽の下に居たとしたらどうなると思いますか? イスラム教の白装束の人は強烈な日射しから全身を守ってくれる白装束があるから助かると思うんです。そして自由で民主的なタンクトップに短パンの人は日射病にやられて死んでしまうかもしれません。 つまりこういう状況ではイスラムの戒律の白装束は『生死に関わる重要な問題』なんだと思うのです。 イスラムの土地のような場所では全身の白装束は『生死に関わる重要な問題』だからこそ厳しい戒律になったと思うんですね。 その戒律が作られた背景には重要な意味がある。 だから、人権擁護派の民主的な人達が厳しい戒律を押し付ける人達のことを、この場面では絶対悪だなんてとても言えないということが判ると思うんです。 ただ、だからといってイスラム原理主義の過激な人達が正しいのか?というと、そうでもないと思うのです。 イスラム教は世界宗教ですから、地域地域で環境が全く違います。 たとえば、砂漠にあるイラクと、熱帯雨林の広がるインドネシアでは環境が全く違うので、当然同じイスラムといっても全く違う宗教になってしまいます。 おそらく、中東のイスラム圏での白装束は、元々日射しに対して弱い遺伝子を持った白人=アーリア人種が、移動したのか、自然破壊で森が無くなってしまったのかは分らないですけど、住むことになった土地での過酷な日射しから身を守るために産まれたのだと思います。 その証拠にブラックアフリカでは、日射しに対して抵抗力の強い黒人達が全く違うアプローチ(皮膚に泥を塗るなど)をしています。 条件(遺伝子や環境)が異なれば、対応すべきアプローチは全く違うものになるわけですね。 欧州では、顔を隠すスカーフを認めるか認めないか?という問題に発展していますが、これにしたってやはり、最初は中東の容赦ない日射しから身を守るための戒律だったものが変化して『文化』や『宗教』になった。 それを民族的、宗教的なアイデンティティとして、異なる環境の元でも押しつけようとするから、おかしな対立とかに繋がっていくのだと思います。 強烈な日射しでは無い場所で、髭を生やそうが、スカーフをかぶろうが、それはもう『生と死の問題』つまり必然的な問題ではなく、趣味の問題になっていくわけですね。 それはもう、『生と死』のレヴェルではどうでもいいことです。 『生と死』のレヴェルでどうでもいいことを、『生と死』のレヴェルに引き上げて法律で罰する罰しないという対立を煽ろうというのは、とても愚かなことだと思います。 もちろん、趣味で着る分には、全く構わないと思いますよ。 でも、それを他者に押し付けるのは違うのではないかと思います。 衣服が産まれた背景の奥底にあるものは、その環境と人間にとって、必ずとても意味があるものだったと思います。 ただ、それがその土地を離れてしまって、たとえばヨーロッパにイスラムの住民が大量に移民したりしてますけど、そこでイスラム式の正しさみたいなものを主張し始めると、様々な衝突が産まれてくると思うんですね。 イスラムの服の正しさは、その場所の中での必然だった、つまり生と死の問題だった。でも、違う場所で語られているのは外面的なファッションでしかないし、自分の記憶とかアイデンティティを繋ぎ留めるための道具になってしまっているんですね。 もちろん、それはそれで大事なことだとは思うのですが、自分や他者の死をかけて争うほどのものではないでしょう。 衣服のことは、表面的なファッションのレヴェルだけで語ってはいけないと思います。 服っていうのは本来、その服を着ることによって生きていけるようにする道具ですよね。 そして、やはり、その環境がもたらす光とか風とか皮膚の色とか、色々ありますけど、そういうものが一番しっくりとくるものを、一番多くの人達が美しいと言うように思います。 もちろん、例外はあるし、それはそれで大事なのですけれど。 竹田 「じゃあ、どの場所が、いわゆる『ファッション』を楽しみやすいとかはあるのですか?」 gento 「やっぱり極端に暑いところとか寒いところではない場所だと思いますよ。イスラムの土地ではないですけど、極端な気候の土地では、それしか着れないようになってしまうし、南太平洋とかタイとかだと、ファッションなんてどうでもよくなってくるでしょ?暑くって。」 竹田 「そうですね、もう服が邪魔ですね、考えたくもない感じです。足元もビーサンとかでいいし。」 gento 「でしょ!?だから、そういった場所からはファッションは発信されにくいですね。もっとも、タイはシルクの生地が有名ではあるんですけどね。 逆に北極圏とかだったら、もう毛皮とかダウン以外着れないし、生きていけない 笑」 竹田 「そうですね、じゃあ東京はファッションが楽しめる土地なんですね。でも私、全然ファッションを楽しんでないです。」 gento 「じゃあ楽しんでみますか?」 つづく #
by ccplus
| 2007-09-16 17:03
| FASHION
gento
「ウールというのは、それを飼う段階で必然的に環境の激変を伴うんですね、それはしょうがないと思います。 オーガニックコットンは地球に優しいみたいなことを思っている人は多いかもしれないけれども、農薬とかそれだけの問題でもないんですね。 コットンの問題は、やはり人為的な問題が大きいと思います。 コットン生産で一番問題なのは、これはソ連で起きたことなんですが、社会主義=共産主義の勝利のための計画農業とか言って、カスピ海の水を灌漑用に使って用水路を作り、一帯で大々的に綿花の栽培を始めたのです。 乾燥地帯というのは、日照が多いので、水さえあればいくらでも作物が栽培出来るのです。 だから、最初のうちは大量の綿花が採れました。それがソ連の勝利と盛んに宣伝されたわけですが、やがてあたり一帯に異変が起きていくのです。 まず、周囲の村の井戸が涸れ、やがてカスピ海の水位がどんどん下がっていきました。そして、綿花を栽培していた場所には、塩が浮き出てきて、栽培が出来なくなっていきました。塩害です。 塩害は、水位の下がったカスピ海でも起りました。 周囲全てで、もはや、いかなる作物の栽培も出来なくなり、村がゴースト化していったのです。 これは、ソ連という共産主義の体質が生んだ悲劇ということでもないようです。なぜなら現在、インドでも同じようなことが起りつつあるようですから。 ただ、環境環境ということばかりを言いたいわけでもないのです。 人間が幸せにならなくては、何のために生きているのか分らない。 昔、青森県では麻の一枚布の着物しか着ちゃいけない法律があったらしいのです。環境保護のためなのかどうか?は、分りませんが。。あまりにも寒くて死ぬ人が続出したので、少しでも暖かくするために刺し子という生地を分厚くする刺繍みたいなものを開発したそうなのですが、それはたしかに環境を守るかもしれませんけど、人間が死んでしまってはなんにもならないので、明らかに行き過ぎの発想でしょ? 青森の冬は、どう考えても毛織物とか毛皮とかが無いと越せないでしょう。 だったら、着た方がいいと思います。 その代わり、それが環境を激変させるのだということは自覚した上で着てほしいんですね。製品や環境に対する尊敬の気持ちがちょっとでも欲しいなあと売っていて思います。 大分話が逸れてしまいました。 イギリスのウールを見たところで、次はイタリアのウールを見てみましょう。 これですね。 イタリアのエキストラファインメリノのニットを見せる。 竹田 「柔らかくて気持ちいいですね。」 gento さっきのイギリスの丈夫なニットは、固くて痛いですけど、こういったニットは柔らかくて着やすいんですよ。これがイタリア糸のニットです。おそらくイタリアはウールの生産地というよりは、加工地なんですね。だから糸の加工が進んだのではないでしょうか?色とか艶とか柔らかさとかですね、そういう面でイタリアのニットはスゴいんですよ。 食べ物で言えば、イギリスのニットは素材を活かす和食に近いもので、イタリアのニットは作り込んだフランス料理みたいなものですね。 他にもウールの産地(加工地)で、全然ニットの表情が違いますよ。 これが、アイルランドのウールです。ぬめっとした光沢があって柔らかく、しかも丈夫な良いニットです。品種もあると思いますが、雨が多いという気候的なものも大きいと思います。 こちらがスコットランドのウールです。アイルランドのと似てますけど、もっとしっかりした(がっちりとした)感じがするのではないか?と思います。その分ちょっと固めですけど。。 もっともこの辺は、品種の違いや加工の違いもあるので一概には言えないですけれども。。 こちらはアイスランドのニットです。光沢が少なくってもっとカサカサしていますね。 こちらはタスマニアウールと呼ばれているものです。 南半球のニットですね。これもぬめっとした光沢があり、大変肌触りがいいと思います。 これはデンマーク製の手編みのニットです。素材はニュージーランド産らしいです。色が独特ですよね。北欧らしい色使いです。この辺は、緯度と太陽の光の屈折率の関係がありますよね。 北欧だとこういう色が映えるんですね。 ニュージーランド産のメリノウールを使っているデザイナーも、とても多いです。 きめが細やかで肌触りがとてもよいと思います。 似たようなウールを使っていても、ドイツ製とフランス製とイタリア製では、多くの場合まるっきり表情が違うのも分るかと思います。 染色方法とか、加工法が違うんです。 ベルギーのウール生地は、伝統的にとてもしっかりしていてシックだし、フランスは華やかだし、ドイツは地味で丈夫、イギリスのもしっかりと丈夫なものが多く、イタリアのウールには色気があるのが多いです。 地中海と大陸内部では光の加減が全く違いますから。 日本は化学繊維の生地がとても発達しているのですが、ウールに関しては、クレームがつかないような品質を重視している感がありますね。色気は少ないです(笑) 日本は特に、工業製品としての生地や服としての捉え方が強いので、量産品を作るのは向いてますが、風合いとかを欧州の一流メゾンのように追い求めるのは、極めて難しい状況があるようです。 やはり、生地にどのようなものを求めるか?国民性が違うのでしょう。 イタリアの生地には、それ自体が歌っているかのような、何かを語りかけるような、そんな表情豊かな生地があります。もっとも、クレーム付きそうなものもあるんですが、それは当然というか、それよりも美を選ぶぜ俺たちは!みたいなそういう国民性が出ていると思います。ま、僕はそういうのが好きなんですけどね。申し訳ないけど、環境一辺倒にはなれないようです。笑 こちらは砂漠のラクダの毛キャメルです。ラクダは剛毛ですが、激しい日射しや温度差や砂嵐から身を守るために、内側にこんなに柔らかい毛があるんですね。 これは、ペルーのアルパカです。繊維が長くって光沢があって暖かく丈夫です。 高山の衣装は、モンゴルとかもそうですが、色がものすごく突き抜けた鮮やかな色が出てたりするんですが、たとえば日本に持ってくるとちょっと可哀想な発色になってしまいますね。 色というのは単独で存在しないので、しかるべき場所で見ないと美しくないのではないでしょうか? #
by ccplus
| 2007-09-15 16:45
| FASHION
mapmagzineの竹田郁さんとの対談で、掲載しきれなかった部分を載せようと思います。
本文とは、かなり違った感じかもしれませんが、面白いと思います☆ 僕は、語り過ぎですね(笑) やりとりは、contemporary creation+内部で行われました。 gento 「『FLATRIP』読みましたよ、とても面白かったです。それで、今回の特集には是非竹田さんの視点が欲しいと思って、お呼びしました。」 竹田 「ありがとうございます。でも、、すいません私、ファッションのこと全然知らないんですよ。私なんかがファッション特集に文章を書いて良いんですか。な んだか場違いな感じがするんですけど。そもそもこういう服を着たいという願望もないですし。試着するのも苦手で。あ、でもファッション雑誌はよく読みま す。『anan』が大好きです。こうすればモテるみたいな特集をマニアックにやってくれるので。(笑) なかなかモテないんですけど!」 gento 「全然構いませんというか、むしろ、全然ファッションを知らない人の方が、別の見方が出来て面白いと思うんです。紅子さんの表参道のゴミ拾いの話、とても興味深かったです。やはり、華やかな表参道のファッションの表の顔の影で、そういった現実があるということに日々接している方が実際に居るということは、是非紹介したかったんです。 今回の特集では、様々な視点でファッションを見てみたいなと思ってます。 ファッションとか一流ブランドといっても、様々なものがあるんですよ。これは表参道にもショップがあるANN DEMEULMEESTERのコートなんですが、何かホームレスに通じるものがあるでしょ!?」 竹田 「ほんとだ!これは、そういうところに入っても全く違和感がないですよ。」 注 ANN DEMEULMEESTER(アンドゥムルメステール) ファッションの世界で旋風を巻き起こした、いわゆる”アントワープ6”の中心的デザイナー。パティスミスの影響を受けたという彼女のデザインは、あくまでもロックで詩的な感情に溢れている。熱狂的ファンが多い。 竹田注*お洒落にうとい私が唯一憧れてファッションを真似していたのがパティ・スミスでした。あ、あとP・J Harvey!未だに憧れています。 gento 「彼女は階級みたいなものにファッションの世界から一石を投じたんだと思うんですね。高級な服とは何かって。アンの顧客は大体クリエイターの人が多いんですが、そういう人達っていうのは、階級とかそういうものを超えた存在ですよね。貧乏な人の中にも入っていけるし、お金持ちの人達の中にも入っていける存在です。実際僕もバイヤーなので、安食堂とかでご飯食べても目立たない服でありながら、展示会とかでもオーケーな服っていうのを自分では着ています。」 竹田 「gentoさんはなんでファッションの仕事を始めたんですか?専門学校で勉強したりしたんですか?」 gento 「いや、ふつうに大学で経営学を勉強してました。卒業してからアパレルで働いたんです。でもファッションは、ほとんど独学です。前からやろうと思っていて..うち、実家が植木屋なんですよ。で、たぶんファッションも植木屋の延長線上にあると思うんです。」 竹田 「植木屋さんですか?ファッションとどう結びつくのかがよく分らないですけれど。。」 gento たとえば、このTシャツはコットンで出来てますよね? コットンは草でしょ!?だから、このTシャツは草が変化してこういうカタチになったものなんですよ。」 竹田 「えええ?そんなこと考えてみたこともなかったです。ファッションって流行とか、もっと表面的なことを言うのかと思ってました。」 gento 「ファッションという言葉自体は、たしかに流行とか表面的なことを指すのですが、衣服に関することはもっと奥深いし広いです。 もっと根本的なことを言うと、染色は大抵鉱物を使っているので、植物+鉱物(+水)というのが基本なのは、絵でも造園でも衣服でも全く同じことなのですね。そして、絵なんかで言うと油絵の具の油とか、カラーコピーとかは石油系の材料なので、言ってみれば動物系なんですね。(笑) 基本的にどれも自然の秩序の移し変えなんですよ。 植物じゃない動物系の衣服の材料にウールがあるのですが、コットンや麻の服の上にウールの服を着るっていうのは、草原や森の中に動物が居るみたいなことなのかもしれませんね。笑 では、ニットについて説明しましょう。 このニットを見てください。 これは僕が実際に8年間着ていたもので、こちらが16年着ていたものです。で、こちらが新品。16年のはともかくとして、8年のものはほら、全然見分けがつかないでしょ。」 竹田 「ええ!!16年のでも新品みたいですよ、スゴいですね、これ。私欲しいかも!」 gento 「残念ながらメンズしか無いのですが、ほんとにヘビーローテーションで着てたから、述べ日数で500日とか1000日とか着てたものですよ。 これがイギリスのほんとにスゴい丈夫なニットなんですね。 イギリス人は伝統的にこういった毛織物製品を一生使うということがあって、下手すると孫の世代までなんて話もあるんですね。 それは毛が貴重だからということもあると思うんですけど、イギリスは羊の生産地なので、羊がいかに環境を破壊するか?知っているということもあるんじゃないかと思います。 というのも、羊は草の芽を全部食べてしまうので、牧草地にしたところは森にならないんですよ。 湿度が高くて恵まれた環境なのに森が少なくて草原ばかりという環境は、羊を飼うという行為がもたらした人為的な環境なんですね。 ヨーロッパに森林が少ないのは、産業革命が起きるのが早かったせいもありますが、羊を飼うという中央アジアの遊牧民の習慣みたいなのが導入された影響も大きいのではないかと思います。 言い換えれば、キリスト教でいう『原罪』みたいなものが羊によって、もたらされたということかもしれません。 一方で、日本は家畜を飼う習慣が無かったので森林が多く残されたということがあると思います。 大体ヨーロッパの30%は森林で、日本の場合は70%が森林になっているはずです。 日本の生地は伝統的に絹と木綿と麻が基本ですよね。 だから毛織物文化みたいなのが育たなかった。 それが、明治維新で英国の支援を受けた勢力が政権奪取しちゃったので、なんとなく文明開化とか言って、イギリス式の洋服が国策として奨励されるようになったし、第二次大戦後はアメリカの実質的な支配下になってしまったので、アメリカ式の服とかを着るようになってしまったけれど、そもそもそういったものは、全て後付けなんですね。 だから、そういう背景無しに、日本人が毛織物を表面的なファッションとして安直に消費していくことにすごく抵抗があるんですね。 日本では羊を飼っていないから環境が保たれていて、それを享受しているのだけれども、同時に他国の環境を破壊していることに無自覚なのですから。 最悪でしょ!? 元々日本を含めたアジア圏というのは、竹や麻の文化みたいなのがあったと思うんです。それらは草なので、直ぐ生えてきて使えますよね。 そして、刈るとまた生えてくる。その繰り返しです。 だから使い捨て文化みたいなものが誕生したのだと思うのです。 もちろん作るの大変だから長く使おうということはあったのかもしれませんが、現在のように生産が世界規模になって世界中の様々な素材を利用した状況で、その使い捨て文化だけを受け継いでいくっていくことは、どうなんだろう?と思います。」 竹田 「そうですね、そんなこと考えたことも無かったです。単純に大量生産大量消費が悪いっていうことは頭にあって、そういうものは買わないようにしようとかは思ってたんですけど。。 でも女の人って基本的に毎年服を買い替えたりするじゃないですか?」 gento 「まだ着れるのにデザインが古くなってしまうから、使えるものをしまって新しいものを買ったりしてますよね。それはアパレルの側に立つと嬉しいことなんですが(笑) でも、どうせ短期間しか着ないのならば、安くてそこそこの品質で、デザインが今風ならいいみたいな流れが出来てしまっていると思うんですね。 そうなると、結局質自体も落ちるし、デザインのレヴェルも落ちてしまう。短期間で答えを出さなければならないからです。そうすると、結局のところ、それほどたいしたものをみんな着ていないという状況に結局なっていってしまってるような気はします。 日本は世界的に見ると、平均的にはものすごくファッショナブルだと思うんですね。でも、ハッと振り返りたくなるような素敵で魅力的人を見かけることは少ない。 フランスやベルギーの平均的なファッションセンスは、それほどでもないですが、振り返りたくなるような人は結構居ます。それも大人の女性に多いんですね、それが大きな違いかもしれません。 ただ、まあ最近は大手のチェーン店が、日本と同じように流行を仕掛けているので、段々日本に近くなってきた部分はあるかもしれませんけれど。。」 竹田 「...」 つづく #
by ccplus
| 2007-09-13 22:14
| FASHION
吉祥寺は中道通りに紅龍という、小さな中華屋さんがあって、前から気になったていたのだが、焼き小龍包というのが名物だそうで、買い食いしてみました☆
4個入で550円とリーズナブルなのも魅力。 目の前で焼いてくれるので、出来上がりまで4−5分待ちます。 で、歩きながら食す。 中からスープが飛び出る。熱い! しかし、美味ーい☆ 焼いた皮がもちもちしていて、かつ、カリッとしていて、中の旨味を閉じ込めています。 癖になりますな。 弁当も、その場で作ってくれるので、レヴェル高いです。 小龍 (シャオロン) 営業時間11:30~22:00(LO21:15) 定休木曜 住所武蔵野市吉祥寺本町2-18-2 電話番号0422-20-6181 こんな感じです #
by ccplus
| 2007-08-29 19:49
| 吉祥寺の美味
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