朝起きて、雨が降っていたので、なんだかやる気の起きない日だと思っていたのだが、仕事に来る道すがら、あたりを眺めていると、ものすごく美しいことに気付いた。
この時期、緑は雨が降る度に勢いを増し、枝は伸び、葉は茂っていく。
活き活きとした木の表情。
自然に伸びゆく枝
より多くの雨を受けようとする凛とした葉の姿は、一流のバレエダンサーの姿のようだ。
そして、色。
今、この瞬間にしかあり得ない、木々の色、雨をしたたらせている木の幹の色。
『どうだんつつじ』の淡い黄色と『山桜』の淡いピンク、そして新緑のコントラスト。
皆、『そめいよしの』など、派手な花見に浮かれていたが、どうしてどうして、そめいよしのが散った後、雨の武蔵野は、一年で一番美しい表情を見せているようです。
結局のところ、僕が一番やりたいのは、こういうことなんです。
生命が伸びゆく瞬間の美しさとか、夕焼けの美しさとか、そういうことなんです。
そこにしか、本質は無いんじゃないか、だとしたら、どうしたらそのレヴェルに到達出来るのか?日々の葛藤です。
でも、難しいことではないのかもしれません。
今、外に出て見れば良いのですから、体験すれば良いのですから。。
そこには、もう、既にそれがあるのです。
現在のBGMは、パブロカザルスのバッハ『無伴奏チェロ』です。
バッハの良い音楽にも、その本質があると思います。