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『全体主義の起原』 ハンナアーレント
抜粋その1 是非読んで欲しい本があります。 それは、哲学者ハンナアーレントが全精力を傾けて書き上げた大作、『全体主義の起原』です。 試みにポイントを抜粋してみます。 ◆現代の意見の混沌を自分の経験で知っていたヒトラーは、意見の渦の中で途方にくれて「全てはくだらぬお喋りだ....と確信」しないで済むようにする方法は、時の流行のどれか一つを「氷のような首尾一貫性」をもって堅持することだと発見していた。 ◆犯罪の被害者が自分達の運動のメンバーであってもやはり同じ犯罪賛美、あるいは少なくても同じ冷淡さを示すこと、そしてついには、共産党の歴史に無数の例がある通り、自分自身が犠牲者となった場合でも運動の信奉者は確信を揺るがされはしないことである。 全文明社会がモスクワ裁判にあれほど衝撃を受け混乱させられたのは、犠牲者が検察側のよき協力者として現れ、「自白」の中で検事のでっち上げをさらに上塗りしていたからにほかならない。 ◆だが全体主義のファナティシズムは、あらゆる型の理想主義とはっきり対照的に、運動が狂信化した信奉者たちを見捨てると同時にそれ自身も崩れさってしまう。 運動の壊滅後にはもはや何の確信も残らない。 しかし運動が持続している限り、狂信の徒となったメンバーたちは経験からも論証からも手の届かないところにいる。 彼らは自己を運動に余りにも一体化させ運動の法則に余りにも完全に適合させたため、あたかも経験するという能力が全く失われてしまったかのようであって、その一人一人にいたるまで拷問にすら何も感ぜず、その不安さえ覚えることがなくなってしまうのである。 ◆その他の点でいかに好条件に恵まれようと、比較的少ない人口しか持たない国では成立が不可能である。 このため、第一次大戦後、中部、南部、東部ヨーロッパの全土に反議会主義的、半ファシスト的、半全体主義的運動が氾濫したにもかかわらず、全体主義政権が生まれるまでになったのはヨーロッパ大陸で最も人口の多い国、ドイツとロシアだけだった。 ◆イタリアのファシスト独裁が全体主義的な性格を持たなかったことは、政治的理由による逮捕の件数が少なかったこと、政治上の敵に対する刑罰が軽かったことからもすでに明らかである。 イタリアのファシズムが国内で特別に攻撃的に出ていた1926-1932年の間にも、政治犯に対する特別裁判所の判決は死刑が7名、10年以上もしくはそれ以上の懲役刑が 257名に止まり、1360名については10年未満の刑でしかない。 そのうえ、およそ12000人の逮捕者は無罪の判決をうけているーこのようなことはナチドイツでもソ連でも想像すらできなかった。 ◆政党には世界観的な「原理」しか訴えるものがなくなったため、そのプロパガンダは硬直してファナティックとなり、しかも同時に古きよき時代への郷愁に彩られた独特の弁解がましさを帯びるようになった。 政党の全般的な衰退は数の上での勢力にはそれほど根本的な打撃を与えなかったが、政党はほかならぬこの事実に惑わされて、それまでは沈黙の共感を寄せてくれた大衆を失ってしまったことには気付かなかった。 大衆が政治に感心を持たなかったのは、彼らの利益を計ってくれる政党がないと思っている間だけだったのである。 衰退の最初の兆候は古い政党員の減少ではなく、これまで政党がその無関心で受動的な支持を当てにしてきた未組織の大衆が今では無関心を捨て、しかも政党への支持を止めてしまったこと、そして打って変わって、全体性に対する彼ら一般の敵意を表明する機会さえ見付ければ到るところで声をあげていたということである。 ◆ヨーロッパの政治学者達が予見できなかったのは 徹底した自己喪失という全く意外なこの現象であり、自分自身の死や他人の個人的な破滅に対して大衆が示したこのシニカルな、あるいは退屈しきった無関心さであり、そしてさらに、抽象的観念に対する彼らの意外な嗜好であり、何よりも軽蔑する常識と日常性から逃れるためだけに自分の人生を馬鹿げた概念の教える型にはめようとまでする彼らのこの情熱的な傾倒だった。 ◆むしろヨーロッパ文化の本来のエリートたちこそ、大衆運動に身を投じることで起る奇妙な自己喪失と個人の独自性の放棄とにとりわけ感染し易いと見えたことさえ多かった。 ◆知識人がこれらの運動でも必然的にスポークスマンになり精神的代表者になったのは、彼らが他の人々以上に強く運動に惹き付けられたからではなく、他の人並みに惹き付けられたからであること、ただ彼らは他の人々とは違って、一般の人々の典型的な意見や観念に表現を与え世界観に結晶させるだけの明晰さを具えていただけということだった。 ◆大衆社会の個人の主たる特徴は残酷さでも愚かさでも無教養でもなく、他人との繋がりの喪失と根無し草的性格である。 人々がかつての出身階級における経験を拠り所に新しい生活を築き得る程度に、国民国家の階級社会に記憶を通じて強く結びつけられていた間は、彼らはファナティシズムやショーヴィニズムの色の特別に濃いナショナリズムに迷い込んだ。 まさにナショナリズムこそ、あらゆる階級対立を超えて国民を統一する接着剤だったからである。 しかし、まさにこの点において彼らは時代遅れだった。 そのことを全体主義の指導者は非常によく知っていたから、このナショナリスティックな感情をプロパガンダに利用したという点では、全体主義者の態度は19世紀のデマゴークと変わらない。 だがこの両者の違いは、前者は自分ではナショナリストではなく、また ナショナリスティックなプロパガンダ路線を必要最低限以上に続けようと思わなかった点にある。 ◆ヒトラーが崩壊しアトム化しつつある社会の中にまずひとつの運動を起こすことによって全体的支配を準備したように、スターリンはまずそのような崩壊しアトム化した大衆を作り出すことによって全体主義的な独裁を準備した。 ◆真の判断力の欠如がかの特異な現代的没我性と手を取り合い、この双方は、仮構の世界への大衆の已みがたい要求と、集団的利害によって結ばれることのない大衆の放縦さとの中に、まさにうってつけの対応物を見いだしたのである。 ◆全体主義の指導者は、いったん権力を握ってしまうと、自分の出身の集団の代表になる必要を少しも感じなかった。 彼らが望んだのは明日の大臣や教授になることなどではなく、千年王国の創始者になることだった。 全体主義の確信的な信奉者としての彼らは、いかなる自発性もいかなる事業意欲も、知識人に劣らず犯罪者のそれも、人間全体の支配にとっては危険でしかありえないことを知っていた。 誤ること無く機能する支配と破壊の装置に対しては、均制化された俗物ばかりの大衆がいずれにせよはるかに信頼たる人的資源を供給してくれたのである。 その後まもなく明らかになったことだが、大衆はいわゆる職業的犯罪者よりもはるかに大きな犯罪ーその犯罪が完璧に組織されて日常的な仕事にまで変えられてさえいればーを犯す能力を持っていた。 ◆大衆的人間 彼らには犯罪的なものであれいかなる情熱もみられなかった。 彼らにあるものといえば、身の安全を僅かでも脅かされたとなると名誉であれ品位であれ信念であれ、一切を投げ棄てて当然とする心性だかだった。 自らの私生活の安泰のみを考える人々の私的道徳ほど破壊の容易だったものはなく、この私生活ほど容易に均制化され公然と画一化されたものはなかった。 ◆大衆は目に見える世界の現実を信ぜず、自分達のコントロールの可能な経験を頼りとせず、自分の五感を信用していない。 それ故に彼らにはある種の想像力が発達していて、いかにも宇宙的な意味と首尾一貫生を持つように見えるものならなんにでも動かされる。 事実というものは大衆を説得する力を失ってしまったから、偽りの事実ですら彼らには何の印象も与えない。 大衆を動かし得るのは、彼らを包み込んでくれると約束する、勝手にこしらえ上げた統一的体系の首尾一貫生だけである。 あらゆる大衆プロパガンダにおいて繰り返しということがあれほど効果的な要素となっているのは、大衆の飲み込みの悪さとか記憶力の弱さとかの故ではなく、単に論理的な完結性しかもたぬ体系に繰り返しが時間的な不変性、首尾一貫性を与えてくれるからである。 大衆が認めようとしないのは、あらゆる現実の一要素をなす偶然性である。 イデオロギーにとってはこの偶然性の否認は好都合であるーイデオロギーは予め法則を設定し、その法則の例証たり得る事実のみを事実として扱い、一切の個別的事象を包括する全能の法則を仮定することですべての偶然の符号というものを排除してしまうのだから。 このように現実から想像へ逃避し、事実から目をそむけて歴史的必然性を信じようとする態度は、あらゆる大衆プロパガンダにとっての前提条件なのである。 ◆双方の場合とも、その本来のねらいは、あらゆることに内的一貫性と統一性を与えることだったのである。 ◆全体主義運動は、根を失い反社会化した大衆が社会について描いてきた戯画を、シオンの賢者の妄想の場合と同じ徹底性をもって実現したのである。 運動の指導者たち自身は非全体主義的な環境に育ち大衆の秘められた願望を知っていたから、法の曲解者たる法律家、殺人者たる医師、無知な人間たる学者という戯画の背後には、法を破り、人を殺し、学問を世の中から放逐したいという願望が潜んでいることを非常によく理解していた。 全体主義運動は権力を握る前からこの大衆の願望にぴったりする分子を残らずかき集めてさまざまな職業グループを組織し、それによって社会の集団の一つ一つに見合った最良の破壊の道具を用意したのである。 ◆組織された暴力は運動にとってメンバーを外部世界から隔離するための防壁のうち最も効果のあるものである。 擬似的世界観のリアリティーが最もよく証明されるのは、メンバーが共犯者となる結果を甘受することより運動を脱退することのほうが恐ろしいと思い、たとえ非全体主義な条件のもとで運動が官憲によって迫害されている場合でも、運動の一員であるほうが運動の敵であるより安全だと全員が感じるようになったときである。 ◆<指導者>の個人的能力が不可欠の重要性を持っているのは、運動が全体主義化への途上にある間だけである。 完全に発達してしまった後の全体主義運動自体にとっては、運動の中心に立つ<指導者>の機能と地位のほうが彼の個人的特性より遥かに重要性を持つ。 「総統の意志は党の法律である」という原則が意味しているのは、全体主義のヒエラルヒー全体はこの「意志」をすべての階層において直ちに実現することを唯一の目的として組織されている、ということである。 運動がこの段階に達した時には<指導者>はかけがえのない存在となる。 なぜなら運動の複雑な全構造は、<指導者>の命令がなければ忽ちその存在理由を失い、自らを破壊するようになるからである。 各幹部は単に<指導者>から指名されるだけでなく、在任中は彼の直接的な化身としてふるまうということである。 ◆<指導者>は、自分の部下に対する批判を許すことができない。なぜなら部下は<指導者>の名においてだけでなく、彼の直接の代理人として行動するからである。 このような組織の枠組みの中で何らかの失敗か過誤が認められるとすれば、それは<指導者>の化身が化身らしくなかったこと、言い換えればいかさま師だったということになる。 従って<指導者>はもし自分か部下かの過ちを修正しようと望むならば、その執行に当たったものを抹殺してしまう以外に方法がないし、自分の失策を他のものに転嫁するつもりなら、その相手を殺さなければならない。 この技術を名人芸にまで高めたスターリンは、自分の行為を後で取り消したくなった場合のためにいわば好ましからざる人物のリストを用意していた。 ◆「仲間たることが明確な物以外はすべて排除される」という秘密結社的な原則を大衆組織に適用しようとしたナチは、単なるユダヤ人の排除だけではあきたらず一つの複雑な官僚機構を設置したが、この役所の唯一の任務は、八千万のドイツ人の手助けをして彼らの祖先にユダヤ人の血が流れていないかどうか調べることだった。 この八千万の人間が恐る恐る自分にはユダヤ人の祖父がいないかと探しにかかったとき、それは一種の秘密結社入会式となった。 事が終わったとき誰もが、自分は「仲間うちの物」のグループに属し、反対側には「排除された物」の群がいるのだという気持ちになったのである。 ボルシェビズム運動は定期的な粛正によってこれと同じ目的を達した。粛正が終わるごとに排除を免れたものはみな、自分が「仲間うちの物」のグループに属していることを改めて確認してもらったように感じたのである。 ◆全体主義の指導者は他の専制者もしくは独裁者とは違って派閥の操り人形にされることはなく、実際に自由で自分の思いのままにでき、たとえ自分が殺そうと決めた当の相手からでも絶対的な献身を期待できるということである。 ◆ナチは驚くべきことに、十四年間にわたってヴァイマル体制と闘って来ながら決してヴァイマル憲法を廃止しなかったし、また国家機構に属する官僚層すらも、すべての革命の後にただちに入れ替えられるのが常であり、事実上ファシズムの支配する国ではどこでもただちに党員によって置き換えられたにもかかわらず、多かれ少なかれ無傷のままですんだ。(ついでに言っておけば、まさに憲法と官僚機構のこの温存が運動の過激性について世界の目をあざむくのに重要な寄与をしたことは言うまでもない。) 全体主義国の住民は、それ自身の運動を加速させようとする自然もしくは歴史の過程のなかに投げ込まれ、捉えられてしまっている。 そのようなものとして彼らはその内在的な法則の執行者もしくは犠牲者のいずれかでしかあり得ない。 その過程の如何によって、今日人種や個人の、あるいは死滅する階級や衰退した民族の成員の抹殺にあたっている連中が、明日は犠牲に供されねばならぬ人間になるかもしれない。 被統治者の行動をみちびくために全体主義的支配が必要とすることは、彼らの一人が執行者の役も犠牲者の役の演じられるように準備させることなのである。 行動原理の代用品となるこの二つの面での準備がイデオロギーなのだ。 ◆イデオロギー それはつまり、単一の前提から演繹してありとあらゆる事柄を説明しつくしてその信奉者を満足させることのできるあらゆるイズムのことである とにかく、凄い本なので、一家に一冊是非☆
by ccplus
| 2008-01-09 20:00
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