先日、本田と中田英寿の対談をやっていて、とても面白かったのだが、その中で中田が、守備のさぼり方と視野の問題について適切に語っていた。
中田は、小野伸二と同じで、ボランチがボールを奪取する場面では、奪取することを前提にして視野確保、そして、半身でボールを受けられる体制にもっていくと語っていた。
日本代表を救うのは小野伸二 『小野伸二を入れると守備が強くなる。』
も参考に
ようするに、後ろを向いた状態だと攻撃の視野が確保されないわけだ。
だから、ボールの出所もボールの出しどころも同時に見える半身でボールを受ける。
そして、直ぐに前を向く。
これこそが、守から攻の切り替えに欠かせないプレーなのだ。
そして、日本代表の攻撃、パス回しが、練習の時しか通用しない、実戦では出せない技術だったということも言っている。
その通り、コートジボワール戦では、選手達が後ろ向きでパスを受けたり、守備時にボールに向かっていきすぎてしまうあまり、視野を確保出来ず、機能しなくなっていたのだ。
岡田ジャパンが決定的に弱い理由 攻撃編=日本対コートジボワールも参考に
ここで、視野についてもう少し詳しく見てみよう。
私達の視野のうち、およそ現実的に有効な視野は、およそ180度くらいだろう。
日本代表のパス回しにおいて、よく前のプレーヤーに当ててボールを戻すというパス回しを見かける。
この時、後ろに居るプレーヤーの視野は前方180度見えているのに対し、前で受けるプレーヤーの視野は後方180度しかないことに気付くと思う。
つまり、前方の選手は、前が見えないので攻撃を組み立てることが出来ない状態にある。
ボールを戻すか、180度ターンをするしか選択肢がない。
しかし、180度ターンをしたとしても、あらかじめ状況が見えていないので、直ぐに攻撃出来ないばかりか、相手の選手につめられている可能性が高い。
仕方ないので、ボールを戻す。
この時に、後方の選手は、180度前方が見えているので、どこに出したら良いのか、よく分っている。
しかしながら、相手のディフェンスからしてみると、最初に無理な位置に居るポストプレーヤーに当てた状況で、これはボールをリターンするしかない事が、優秀なプレーヤーには分ってしまうのだ。
なので、トップの選手をマークし直せばよいわけで、その時間的余裕があるから、ピンチにならないのである=日本の攻撃は機能しないということになる。
一方、プレミアの試合で、ものすごく速いグランダーのボールをポストの選手に当てて攻撃するのは、まず、ある一定の時間内でやらなければいけないことと、トップに当てる距離と戻す距離が、極端に違っているということが特徴だと思う。
30メートルのグランダーのパスをトップの選手に通して、3メートルの戻しをすれば、27メートルの位置の攻撃的な選手は、前を向いて視野を確保した状態で攻撃が出来るのだ。
これが、クサビのボールを入れるセオリーであって、10メートルの縦パスを出して10メートル下げても無意味どころか、深刻な事態を招くことになる。
それは、主に日本代表でくさびのボールを受けているのが、遠藤や長谷部、本田など、ゲームを作ることの出来る能力を持っている選手だからなのだ。
彼らが前を向かず、後ろばかり見ていると、ゲームを作れなくなる。
イメージが出来なくなってしまうのである。
これが、日本代表の攻撃が機能しない一つの本質になっている。
なぜバルセロナは、3バックに近い4-3-3(4-1-2-3)
なのか?
バルサにおいて、ディフェンスの位置から攻撃を組み立てていく際にセンターバックの2人が開くのは、
ピボーテ(アンカー=1の選手)とセンターバック2人の選手の間で三角形を作るためです。
この時、ピボーテの選手は、少し下がった方が良い。
なぜなら、その方が、パスの三角形が尖らなくなる=攻撃への視野を保ったまま受けられるようになるということがあるからです。
一方、サイドバックの選手は、少し高いサイドのライン際の位置に張るわけです。
なぜサイドに張るのかというと、サイドに張ると180度全ての視野が確保されるからです。
つまり、サイドバックの選手は、攻撃への視野も守備へのカバーリングも同時に行うことが出来るのです。
これが、このポジショニングの意味です。
理にかなっているでしょう?
もっとも、これは基本であって、実際の試合では、それに対する対策が進んでいくので、必ずしもこうなるとは限らないわけですが、そういう戦術に対する対処法というのを幼い頃から実戦経験によって積み上げていくのが、アヤックス=バルセロナ方式です。
現代サッカーにおいて、サイドバックの重要性は増すばかりなのですが、日本におけるサイドバック論というのは、ほとんど3-5-2におけるウイングバック的な論点からしか出てこないようです。
トルシエジャパンはなぜ勝てたのか?フラット3をもう一度考える 第四回も参考に
3-5-2におけるウイングバックというのは、運動量とクロスの精度が重視されていたポジションです。
しかし、現代サッカーにおける4バックのサイドの選手というのは、組み立ての上手さ、守備力、フィードの正確性、判断力がとくに求められてきているのです。
これが無い選手をサイドバックで使うと致命的な欠陥が出てきてしまうのです。
トルシエ時代には、左サイドに中田浩二と小野伸二という、2人の攻守におけるキープレーヤーを配していたのは、同じ理由からだと思います。
サッカーにおいて、攻守全てのフィールドを俯瞰することが出来るのは、キーパーとサイドに居る選手だけなんですね。
ですから、その人達のフィードの能力、攻守両面の能力、組み立て能力というのは、極めて大切なのです。
そして、中村俊輔が、セルティックにおいて、右ウイング固定で力を発揮出来たというのは、俊輔は後ろ向きになることが多いのですが、右ウイング固定だと、その位置からピッチ上をほぼくまなく俯瞰出来るので、ゲームメイクが出来た。
ところが、中央の位置に切れ込んでくると、視野が確保されなくなってくる。
従ってゲームを壊すようになる。こういうことなんじゃないかと思います。
実際、トルシエの時の左サイドハーフ固定の時は、俊輔は活きていたと思います。
それもピッチ全体の視野を確保出来たからだと思います。
なので、俊輔選手は、中に入らずにサイドに固定しないと本当には活きない選手であることが分ると思います。
中田英寿や小野伸二にはそれが可能なわけですけれども。
そして、おそらく本田にも。。
なぜかというと、守備をさぼることが出来るから。
ボールを奪取する人にまかせて、コースを消しながら、視野を確保することが出来るから。
中央で攻撃をする選手においては、この作業が不可欠だからなのです。
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