欧州チャンピオンズリーグ決勝
インテルミラン対バイエルンミュンヘン
遂にこの時がやってきた。
世界最高峰の師弟対決。
ジョゼ・モウリーニョ×ルイス・ファン・ハール
かつてバルセロナの監督とアシスタントコーチだった二人が、決勝で闘う。
しかも、舞台はレアルマドリーの本拠地、サンチャゴ・ベルナベウ
レアルマドリーをクビになった、ロッベン、スナイデルというオランダ代表の主役二人の対決。
かつてバルセロナでプレーしていたファン・ボメルとエトーも敵味方に分かれて闘う。
日本代表がワールドカップで闘う相手が主役を務める大舞台。
インテルミラン
GKジュリオ・セーザル30歳
DFルシオ32歳
DFサムエル32歳
DFマイコン28歳
DFギヴ29歳
MFサネッティ36歳
MFカンビアッソ29歳
MFスナイデル25歳
FWパンデフ26歳
FWエトー29歳
FWミリート30歳
バイエルンミュンヘン
GKハンス=イェルク・ブット35歳
DFフィリップ・ラーム26歳
DFファン・ブイテン32歳
DFマルティン・ガストン・デミチェリス29歳
DFバトシュトゥバー21歳
MFマルク・ファン・ボメル33歳
MFバスティアン・シュヴァインシュタイガー25歳
MFアリエン・ロッベン26歳
MFハミト・アルティントップ27歳
FWイヴィツァ・オリッチ30歳
FWトーマス・ミュラー21歳
バイエルンの方が全体に若い。
経験の差をフィジカルがカバーするのか?興味深い。
試合は、ビッグゲームに相応しい好ゲームで始まった。
インテルは4-3-3の攻撃的なフォーメーションでスタート。
恐らく、最初に1点取ってから、引いて守ってカウンターというプランを考えていたと思う。
一方のバイエルンは、インテルの攻撃を受け止めながら、序所にペースアップ。
バイエルンは、ピッチ上を目一杯広く使い、速いグランダーのパスを回す。
そのパススピードは、日本代表のパス回しのおよそ2倍。
速い。そしてパスが長い。
それが、ことごとく繋がる。
バイエルンは、ルイス・ファン・ハールが就任したことで、昨年までのサッカーと全く質が変わっている。
バイエルンの意図としては、インテルとバルセロナの準決勝ファーストレグの一戦のように、攻撃の際に広くスペースを使い、相手をプレスに走らせる狙いがあったと思う。
そして後半勝負。そう考えていたと思う。
決勝戦には延長戦がある。
勝ちきるためには、後半に有利になるように試合運びをする必要がある。
そして、バイエルンのパス回しは、実際にインテルを守備に奔走させることに成功していた。
おそらく、ある時間までは、バイエルン=ルイス・ファン・ハールのプラン通りに進んでいたに違いない。
しかも、一回は、相手のハンドの場面があった。
しかし、なぜかこれは流された。
あれがPKになっていたとしたら、この試合は全く違う展開になっていたと思う。
それでも序所に押し込むバイエルン。最後の局面で絶対に守るインテル。
局面の守備、スピード、当たりの強さ。ポジショニング。
全てが世界最高レヴェルだ。
そして、一瞬の出来事。
あまりにも速過ぎて、一瞬何が起きたのか分らなかった。
それくらい電光石火のカウンター。
インテル、ミリート ヘッドで落とす、なぜかフリーになっているスナイデル、再びワンタッチでミリート。
ミリート冷静にゴールへ。
守備4人に対し、2人だけの攻撃で実に鮮やかにゴールを奪う。
満員の観客からの歓声。
インテルの試合が守備的でつまらない??
この攻撃が美しくないって??
いや、極上だ。あまりにも極上のゴール。
一点の失敗もない、見事なボールコントロールと見事な戦術眼、そして見事なゴール。
バルセロナに続いて、バイエルンも又、スナイデルをフリーにしてしまった。
それが、敗因である。
ミリートもパーフェクトだ。
監督が良いチームは強くなる。インテル対バルセロナを読むも参考に
思えば、日本代表もトルシエやジーコの時代は、こういう美しいカウンターが度々決まっていたことに気付く。
なぜ、それが美しいゴールと言われなくなってしまったのか?
いつからカウンターが悪のように言われるようになったのか??
そんなことを思う。
そしてワールドカップ。くれぐれもスナイデルをフリーにしてはいけない事も。。
分っているのにやられている。
そこからは、インテルのゲームプラン通りになった。
何しろ先制してしまったのだから当然だ。
徹底的に守ってカウンター。
僕はここで面白いことを発見した。
インテルの守備方法である。
全員守備。
全員自陣に引きこもって守備をする。
普通は、これをやるとカウンターが効かなくなるので、ボコボコにされる。
しかし、なぜかインテルは、全員自陣に引きこもって守備をする。
たしか、いつもはそんな事は無いはずだ。トップを残している。
インテルのカウンターは天下一品。
カウンターののど元を突きつけられていた方が、相手にとっては脅威だ。
しかし今回は違う。
その理由が分ったのは、しばらく経ってから。
おそらくスタジアムで見ていないと完全には分らないのだが。
インテルは、わざと全員守備に戻ることで、相手の最終ラインをおびき出し、基本マンマークベースのバイエルン守備による、マークを外している。
その上で、攻撃の4人、ミリート、エトー、スナイデル、パンデフを交互に1−1の関係で前線に上げているのだ。
その0トップと1−1トップの絶妙な駆け引きとポジショニングによって、カウンターの際、数的不利であっても、フリーの場面を作っているのである。
相手の闘い方の弱点を見事に突いたポジショニングなのだ。
モウリーニョ、恐るべし!!
後半開始直後、バイエルンに決定的なチャンスが訪れる。
しかし、ミュラ−21歳ハズす。
もし、これが決まっていたら、またどうなったか分らなかったが、やはり、バイエルンは、最終局面の技術力不足が現れてしまったと思う。
そしてそこがインテルとの決定的な差だったと思う。
ロッベンは良い選手だが、ペナルティエリアの外側ギリギリの位置での良い選手だ。
ロッベンを止めるには、ペナルティエリア付近をがちがちに固めれば良い。
それを崩すには、最終局面の技術力が不可欠になってくる。
一方、インテル2点目もカウンターから、エトーのパスに抜け出したミリートが、相手DFを引きつけながら、余裕で流し込む。
チャンピオンズリーグ決勝の大舞台で、なぜこれだけ冷静に余裕をもってゴールを決めることが出来るのか?ミリート、恐るべしである。
エトーはこの日、完全に黒子に徹していた。
恐らく、エトーにもミリートの仕事は出来る。
しかし、ミリートにはエトーの仕事は出来ない。
だから、エトーは守備に奔走していた。
そう思う。
2−0の後は正直盤石になってしまったと思う。
詰んでしまった。
後半、インテルが守備的で面白くないと思った人が居たとすれば、インテルが強かったから、2−0になった時点で試合が詰んでしまったからだと思う。
ロッベンへのパスは、パスが渡る寸前でカットする。
ファンボメルの長いグランダーのサイドへの散らしのパスもパスカットされる。
ロッベンのミドルシュートは壁が跳ね返す。
クローゼ、マリオ・ゴメスの投入も何も引き起こすことは出来なかった。
もちろん、ACミラン対リバプールの時のように、世の中何が有るのか分らないが、この日のインテルの勝利に対するモチベーションは、半端なものではなかった。
モウリーニョの偉業は成し遂げられた。
この試合、軍配は弟子のモウリーニョに軍配が上がったわけだが、ルイス・ファン・ハールがモウリーニョより劣っていたのか?というと、必ずしもそうは言えないと思う。
まだ、ルイス・ファン・ハールは就任1年目。
まだまだチームは仕上がりきっていない。
そしてこのチームは、まだ最終局面の技術力に不安がある。
それは、この夏の補強をもって賄われるだろう。
その時、バイエルンはどれほど強くなるのだろうか?
今から楽しみである。
そしてこの試合。日本代表にとってヒントが凝縮された試合だったように思う。
ロッベンを止めるにはどうするのか?ファンボメルを止めるには?
グランダーの素早いパス回しを封じるためにはどうするのか?
エトーを止めるには?
スナイデルを止めるには??
世界最高峰の名将2人が智慧を絞った結果が、ピッチの上でデザインを描いていた。
我々は、この映像を穴が空くまで見つめなければならない。
そして発見し、応用し、実行せよ。
世界を驚かせるために。
それが今、我々に出来ることだ。
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