Jリーグ開幕しました。
雑感などは、また後日に。
今日は
トルシエジャパンは強かった!?
トルシエジャパンはなぜ勝てたのか?フラット3をもう一度考えるの続きです。
トルシエがやっていたようなフラットラインディフェンスについてジーコは、『間抜けのディフェンス』と言って馬鹿にしていた。
彼の著書にそう書いてある。
「オフサイドトラップを軸にしたディフェンスはするべきではない。
なぜなら、レヴェルの高い攻撃の選手は、直ぐにオフサイドトラップを破る方法を見つけてしまうからだ。」
これはジーコ達フラメンゴの選手が実際にフラットディフェンスのオフサイド破りを行っていたからということがあるようだ。
「ディフェンスは、必ず奥行きをつけろ。
なぜなら、ディフェンスラインを破られると大ピンチだからだ。」
大体このような話で、トルシエの戦術はだからダメで、私が監督をしたら、ワールドカップでベスト8まで行けたみたいな話になっていったようです。
で、ジーコが監督になって0勝1分け2敗の成績でワールドカップを終え、「日本はフィジカルが足りなかった」と言ってジーコは去っていきました。
やれやれ
トルシエは、日本に守備の文化が無い=守備的なフィジカルが弱いから、4年かけてフラットのゾーンディフェンスを完成させたわけです。
その成果は一体何だったのでしょうか?
それを全く検証することもなく、ジーコの言い分を真に受け、ジーコジャパンはスタートし、負けました。
さて、トルシエジャパンの成績ですが
2001コンフェデ
3-0カナダ
2-0カメルーン
1-1ブラジル(メンバー落として)
1-0オーストラリア
0-1フランス(中田英寿抜き)
2002ワールドカップ
2-2ベルギー
1-0ロシア
2-0チュニジア
0-1トルコ
と、間抜けなディフェンスは、ほぼ全く崩壊していないことが分る。
どころか、12得点5失点である。強いことこの上ない。
では、トルシエのフラット3の秘密とは何なのだろうか?
調べてみると、これを詳しく解説しているホームページを発見した。
かなりよく出来ています。オススメです☆
こちらです
http://homepage3.nifty.com/ketto_see/flat3again.html
それを読んで、今まで見てきたトルシエジャパンの試合を照らし合わせてみると分ることは以下の通り。
詳しくは全部読んでいただくと分るのだが、ごく簡単に言うと、トルシエのフラット3は、(ジーコが言うような)相手をオフサイドにする為に仕掛けるのではなく、相手ボールにも関わらず攻撃が出来ないようにするため、
カウンター攻撃を封じるため、相手ボールの時にロングボールを前線に入れさせないためにある。
そして、パスが出る際には、相手よりもいち早く出たボールへの対処をするために、オフサイドトラップはせず、先に自陣に向かって走り出す。
つまり、相手フォワードより先にボールへ辿り着く。
という戦略だったのだ。
だから、宮本や中田浩二は、それほど足が速いとも思えないにも関わらず、1対1に必ずといってよいほど勝てていたのだ。
相手より先に走り出しているから、必ず勝てるのだ。
これは、イチロー選手と同じように、相手より早く動き出すための準備をしていることになる。
イチローのメジャー2000本安打とサッカー日本代表が進む道も参考に
敵がスペースに出されたパスには、相手フォワードよりも、ディフェンスが先に辿り着くのだ。
僕は、それまで、フラット3というのは、オフサイドトラップの戦術だと思っていた。(オフサイドトラップというのは、相手のフォワードをオフサイドにして、フリーキックからのマイボールにする戦術のこと)
しかし、そうでは無かったのだ。
トルシエのフラット3は、相手がボールを持っている時に、パスを出せない状況ではディフェンスラインを押し上げる。パスが出せる状況では、相手より早く戻る。という原則を貫いているのだ。
参考
http://homepage3.nifty.com/ketto_see/flat3/testgame4.htm
フラットのゾーンディフェンスを破る方法というのはいくつかあり、古くは1980年代始めにジーコ達がやっていたオフサイドトラップを破る動き出しによる方法。
そして、2004年〜にデシャン監督のモナコが採用した、一度くさびに当てて、ワンタッチで裏へ出す方法である。
「”デシャン式”モナコのライン破り」
http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/archive/detail_06.html
この方式は、今でもとても有効な方法なので、プレミアの試合などを見ると縦への速いパスをよく見かける。
このデシャン方式のライン突破方法が生まれたおかげで、現在の欧州リーグでの試合は、マンチェスターユナイテッドのように、ラインを押し上げるのではなく、ベタ引きで守る方法が出て来た。
ベタ引き+ロングボールのカウンターサッカー
昔ながらのイングランドサッカーの強さが復活する土台が出来たのだ。
その為、ディフェンスは速さよりも強さ、高さが求められるようになり、それに対抗するために、フォワードも大型化した。
そのような戦術の歴史があるらしい。ほんとかどうかは良く分らないが。。ただ、まあ大体そういう感じではあると思う。
しかし、それは、足が速く俊敏で高さや強さのある選手が少ない日本のディフェンスには過酷な状況である。
そういう欧州サッカーの現状を技術委員会がリポートし、
日本はフィジカルが足りない、だからトゥーリオと中澤が常にセンターに並ぶみたいな状況があるのだと思う。
彼らには高さはあっても速さはないので、ディフェンスラインを押し上げると危ない。
従って、ディフェンスラインは下がることになる。
一方で、岡田ジャパンでは攻撃に人数をかける決まりになっている。サイドバックはウイングといってもよいくらい、良く上がる。
従って、バイタルエリアはスカスカである。
相手ディフェンスから一本のパスが出てくると、一転大ピンチになる。
これを岡田ジャパンでは、どう対処しようとしていたのか?
それが、人数をかけた片側のサイドで圧縮してプレスをかけ、ロングボールを蹴らせないようにしていた大木戦術である。
岡田ジャパン崩壊の原因は 大木 武ヘッドコーチの戦略がそもそもの原因?も参考に
しかし、このやり方には明らかに対処方法がある。
昨年の9月のオランダ戦で、日本は高い位置でのプレスをかけた。
最初のうちは、オランダはびっくりして戸惑い、ボールを失う場面が続出した。
しかし、ほどなくしてバックパスを使って、簡単にボールを下げ、シンプルにパスを繋ぐようにしてプレスをかいくぐったのだ。
そして、相手をプレスに走らせる事によって、体力を消耗させ、後半の圧倒的なパス回しが実現し、3得点。完勝だった。
こういうことになる。
これは、オランダの選手や監督が試合中に気付き、試合の中で訂正していっていることが、彼らのインタビューからあきらかである。
もう一つ、この方法の破り方があって、それはたぶん中村ケンゴあたりが得意な方法なのだが、シンプルに壁パスでワンツーでボールを受け、山なりのボールでサイドチェンジする方法だ。
なにしろ片側に人数を割いているので相手サイドはがら空きである。
逆サイドから一本のパスで崩すことが出来る。
もちろん、ドリブルもし放題だ。
しかし、なぜかこういう方法が最も得意と思われるはずの中村ケンゴは、こういった状況でのワンツーによるサイドチェンジを全く行っていなかったのである。
そう、サイドチェンジは禁止だったのだ。
やれやれ
で、当然の事ながら、この方法はダメである。
もう詰んでいる。
他の方法を探らなくてはいけない。
ということで、フラット3なのである。
実際に、フラット3については岡田監督も考えていたらしく、先の4連戦では、試していた気配がある。何しろこの人は元々頭脳派ディフェンダーだったのだ。
しかし、たぶん、まだそのやり方では無理と思う。
だから、もっと考えなくてはならない。
トルシエ型のフラット3は、ラインコントロールによって相手の攻撃を無力化出来る時間帯がかなりある。
だから、組織が全体として機能不全になるまで疲労する事が少ない。
もちろん、プレスはかけなくはならないし、ディフェンスはかなり疲れるだろうが。。
そして、相手よりも早く出てくるはずのボールに対して動くので、絶体絶命のピンチになりにくいのである。
もちろん、そこには駆け引きがあるので、3バックにはセンスと頭の良さが欠かせないないのである。
知能と組織で守るディフェンス、それがフラット3だ。
しかし、今から3ヶ月で、その難しいフラット3を完成させることなんて出来るのだろうか??
それは可能だ。というのが、僕の意見です。
なぜなら、1999ワールドユースでは、現実に、3ヶ月でフラット3を機能させているからです。
そして準優勝を果たしたわけです。
なぜ、それは可能だったのか?
次回は、それについて考えていきたいと思います。
まず、そのヒントとして、
レシャック×エンゲルスが率いた1998年の横浜フリューゲルスのメンバーをリンクしておきましょう。
つづきます。
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